筒香嘉智が7月7日に40人枠から外されマイナー降格を命じられた裏事情とは?!
【マイナーでの調整継続が決まった筒香選手】
ドジャースは現地時間の7月7日、3Aでリハビリ出場を続けていた筒香嘉智選手がマイナー降格を受け入れたため、「アウトライト・ウェーバー」により彼を3Aに残留させることを明らかにしている。
一部の米メディアでは、今回の措置により筒香選手が40人枠から外れたと報告していたが、MLB公式サイトでもマーリンズ戦後に筒香選手を40人枠から外している。
これにより筒香選手は今後も3Aで調整を続けながら、ドジャースでメジャー再昇格を目指すことになる。
【リハビリ・アサインメント期限が7月6日で終了】
実は今回の措置は、ある程度予測されていたものだ。自分自身も先月末に配信した有料記事で、7月7日が筒香選手にとってXデーになるだろうと予告していた。
というのも、6月9日に右ふくらはぎの負傷で故障者リスト(IL)入りしていた筒香選手は、同17日からリハビリ・アサインメントで3Aに回っていた。ここまでは日本でも報じられている通りだ。
このリハビリ・アサインメントは期限が決まっており、野手の場合は最長で20日間に設定されていた。つまり今回の筒香選手のリハビリ・アサインメントは7月6日までで終了するため、チームとしては7月7日に筒香選手に対しILから外し26人枠に復帰させるか、もうしくは「アウトライト・ウェーバー」にかけるかの二者択一を迫られていたのだ。
【リハビリ・アサインメントでも打撃復活できず】
本来リハビリ・アサイメントというものは、ILから戦列復帰するまでにしっかりと試合勘とコンディションを取り戻すための期間になるわけだが、今回の筒香選手に関しては、多少意味合いが違っていた。
5月15日にレイズからトレードされた筒香選手は、極度の打撃不振に陥っていた。ドジャースとしては環境が変わることで本来の打撃を取り戻してくれることを期待していたが、結局IL入りするまで12試合に出場し、打率.120に止まっていた。
そこでドジャースは、ILからすぐに復帰させても十分な出場機会を与えられないことから、リハビリ・アサインメントを最大限に活用し、筒香選手に3Aで十分な出場機会を与え、打撃の状態を改善させてからメジャーに復帰させようと目論んでいた。
だが実際は思惑通りにいかず、3Aで15試合に出場したものの、打率.138、3本塁打、7打点に止まり、リハビリ・アサインメントの20日間だけではチームが期待していたような状態まで戻すことができなかったのだ。
【筒香選手本人もマイナー降格を了承】
そこでチームとして筒香選手のメジャー復帰は時期尚早だと判断し、リハビリ・アサインメントが終了した7月7日に、今後も3Aで調整を続けるよう筒香選手に打診したところ、本人も了承したため3A降格が決まったというわけだ。
今回ドジャースは筒香選手をマイナーに降格させるため、「アウトライト・ウェーバー」を使ったわけだが、基本的にこの措置は、選手を40人枠から外すか、マイナー降格オプションをクリアした選手を26人枠から外す際に用いられるものだ。
確かに40人枠から外れた事実は重いが、日本のメディアが報じているような「事実上の戦力外」という意味合いのものではない。前述した通り、まだ筒香選手がメジャーに復帰できる状態にないと判断したドジャースからすれば、ルール上の問題で「アウトライト・ウェーバー」せざるを得なかった。
それを踏まえた上で筒香選手はチーム方針を受け入れ、マイナー降格を了承した。つまり双方合意のマイナー降格であり、これでメジャー再昇格の道が断たれたわけでもないのだ。
それは裏を返せば筒香選手がドジャースから、打撃を復活させるための更なる時間的猶予を与えられたということを意味するものだ。
筒香選手がいつメジャー再昇格できるかは定かではないが、すべては彼の打撃復活次第ということだ。