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バイデン大統領も開催地変更を支持!今年のオールスター戦開催地アトランタが窮地に

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
マンフレッド・コミッショナーはオールスター戦開催について対処を迫られている(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【バイデン大統領も開催地変更を支持】

 いよいよ2021年シーズンの開幕を目前に控える中、MLBがオールスター戦実施で開催地変更すべきかで決断を迫られている。現在の状況についてロサンゼルスタイムズ紙のビル・シャルキン記者が、記事にまとめている。

 今シーズンのオールスター戦はブレーブスの本拠地アトランタで開催されることになっているのだが、先月下旬にジョージア州議会が投票制限に繋がりそうな州法を可決したところから、アトランタでの開催に疑義を呈する声が上がり始めているのだ。

 その1人がジョー・バイデン大統領だ。人種差別に繋がるとして州法可決を批難していた同大統領はESPNのインタビューに応じ、MLB界にオールスター戦の開催地を変更すべきとの動きがあることについて、「積極的に彼らをサポートしていきたい」と支持する立場を明らかにしている。

【ロバーツ監督もアトランタ開催なら不参加を表明】

 MLB界で開催地変更を求める声を真っ先に上げた1人が、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督だろう。

 彼は昨年のワールドシリーズ覇者として、オールスター戦でナ・リーグの指揮をとることが決まっているのだが、アトランタで開催される場合は参加を辞退する考えを示している。

 ロバーツ監督は沖縄県生まれで日本人の母を持つことで知られ、スプリングトレーニング中にも米国内でのアジア系住民への人種差別について発言するなど、以前から人種差別問題について積極的に声を上げ続けてきた人物だ。

 今回の州法についても「同じ米国民である黒人の投票を制限するという試みなのであれば、やはり自分としては不安を抱かざるを得ないだろう」と、疑問視している。

【問われるマンフレッド・コミッショナーのイニシアチブ】

 MLB球界ばかりでなくアトランタの主要企業も、州法に反対の立場をとっている。アトランタに本社を置くコカコーラとデルタ航空のCEOが、相次いで州法に反対する姿勢を明らかにしているのだ。

 こうした事態を受け、ロブ・マンフレッド・コミッショナーは米メディアの取材に応じ、選手会のトニー・クラーク専務理事と討議していくことを明らかにしており、近々何らかの結論を下すことになりそうだ。

 ただ2011年のオールスター戦では、アリゾナ州議会が入国関連の州法を可決したことに選手会が反対の立場を表明し、開催地フェニックスから変更する声が上がるなど、類似したケースが起こっていたのだが、当時はそのままフェニックス開催で決着している例もある。

 今回はバイデン大統領も開催地変更を支持しており、いずれにせよマンフレッド・コミッショナーのイニシアチブが問われることになりそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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