【今季赤字総額は1兆2000億円と米報道】

 新型コロナウイルスの影響を受けた今シーズンのMLBは、歴史的な赤字額を被ることになりそうだ。

 スポーツ専門サイトの「the Score」が現地時間の10月26日に報じたところによると、複数メディアの報道から今シーズンのMLBと全30チームの赤字額は総額で114億ドル(約1兆2000億円)に及ぶと予想される模様だ。

 厳しいオフシーズンが予想される中、すでに大幅な人員整理を断行しているチームも存在しており、ワールドシリーズ終了後に訪れるオフシーズンは、選手にとっても相当厳しいものになりそうだ。

【MLBが3300億円で全30チームは8700億円】

 同サイトの記事によれば、「The Athletic」のエバン・ドレリッチ記者がMLB関係者から話を聞き、今シーズンのMLBの収益は30億ドル(約3100億円)の収入だったのに対し、61億ドル(約6400億円)の支出を必要としたため、31億ドル(約3300億円)の赤字を計上したとしている。

 このMLB関係者の話によると、もし通常通り有観客試合でシーズンを運営していれば、100億ドル(約1100億円)の収益が見込まれる一方で、102億ドル(約2100億円)の支出が予想され、それでも2億ドル(約210億円)の赤字に留まっていたようだ。

 また「Sportico」のバリー・ブルーム記者はロブ・マンフレッド・コミッショナーに単独インタビューを行い、MLB全30チーム全体で83億ドル(約8700億円)の赤字を計上しており、今シーズンの運営費は30億ドル(約3100億円)前後の損失を被ったとの発言を聞き出している。

 この2つの記事を総合すれば、MLB自体で31億ドル、また全30チームで83億ドルの赤字を計上していることになり、その総額は前述通り114億ドルで1兆円を超える計算になる。

【カブスら5チームが大幅人員削減を実施】

 さらにドレリッチ記者によれば、すでに各チームは経営危機を迎えており、カブスは100人以上、オリオールズとジャイアンツが約50人、レッドソックスが約40人の人員整理を断行しているという。

 さらにアスレチックスも近々、約150人の人員整理を準備しているとも報じており、経費削減の動きは各チームに広がっていくことになりそうだ。

【年俸総額にも影響必至か?】

 つい先日本欄でも、米メディアが今年のオフシーズンは選手にとって相当厳しいものになり、FA市場のみならず、契約オプション権を有する選手や年俸調停権を得る選手も整理される可能性があると指摘したばかりだ。

 レッドソックスやカブスのようなMLB内でも比較的潤沢な予算を抱えていたチームでさえ人員整理を断行していることを考えれば、今後選手の年俸総額も削減するチームが現れても不思議ではない状況だ。

 すでにレッドソックスは26日付けで、年俸調停権を有する2選手を含めた5選手を40人枠から外す手続きを行い、そのうち3選手がFAになっている。

 各チームも今後さらに様々な対策を講じていくことになるだろう。いずれにせよ、MLBにとって厳しい冬が待ち受けていることだけは間違いなさそうだ。