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スポーツブックの世界で新人王候補の八村塁の評価が急上昇!

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
代表活動でも圧倒的な存在感を見せる八村塁選手(写真:田村翔/アフロスポーツ)

【スポーツ専門サイトがNBAのスポーツブック動向記事を公開】

 スポーツ専門の『the Score』が、来シーズンのNBAの優勝チームや個人タイトルに関するスポーツブック(もしくは「スポーツベッティング」ともいう)の動向をまとめた記事を公開した。

 担当したのは、同サイトでスポーツブックを専門にしているAlex Kolodziej記者(ラストネームの発音が確認できないため英語表記のまま)。今回は「優勝チーム」、「MVP受賞者」、「新人王受賞者」に関するオッズの推移を詳記している。

【新人王で八村選手の評価が急上昇】

 日本人ファンとしてやはり気になるのは、日本人初のドラフト1巡目指名を受けた八村塁選手も候補に入っている新人王のオッズ動向だろう。実は彼の評価が、急上昇しているのだ。

 ブック開始直後と現在のオッズと比較してみると、八村選手オッズは50-1(1ドルで51ドルの配当金を得られる)から12-1(1ドルで13ドルの配当金を得られる)まで下がり、現在はザイオン・ウィリアムソン選手(5-7)、ジャ・モラント選手(9-2)、RJ・バレット選手(5-1)に次ぐオッズの低さになっている。

 Kolodziej記者によれば、八村選手の他にブランドン・クラーク選手(300-1から40-1)とカーセン・エドワーズ選手(1000-1から50-1)も大幅にオッズを下げているが、彼らはサマーリーグで顕著な活躍をみせたため、それが評価を押し上げる要因になったと分析している。

 スポーツブックの世界は当然のごとく、冷静な評価が求められるもの。その中で全体の9番目指名だった八村選手が、1~3番目指名選手に次ぐ評価を受けているのは何とも頼もしい限りだ。

【MVPはアデトクンボ、優勝チームはクリッパーズ】

 他の2つのオッズについても紹介しておこう。

 まず優勝チームについては、このオフにカワイ・レナード選手、ポール・ジョージ選手の獲得に成功したクリッパーズの評価が上がり、ブッキング開始当初の16-1から7-2までオッズを下げ、一番人気になっている。

 これに続くのが、アンソニー・デービス選手、デマーカス・カズンズ選手を獲得したレイカーズが20-1から4-1までオッズを下げている。

 その一方で、開始当初は7-4で一番オッズが低かったウォリアーズが、現在は12-1までオッズを上げている。

 MVPに関しては、開始当初から現在まで同じ7-2のオッズをつけられているヤニス・アデトクンボ選手が一番人気になっている。

 これに続くのが、4-1のオッズがつけられているステフィン・カリー選手とジェームス・ハーデン選手となっている。

【オッズは選手評価の貴重な指標】

 ここで紹介しているオッズは常に変化していくものだ。シーズンを通して選手の活躍やチーム状況によって、下がることもあれば上がることもある。それは裏を返せば、オッズの推移は、その時々の選手の評価を確認する上での貴重な指標になるということだ。

 果たして八村選手は、どんなオッズをつけられてシーズン開幕を迎えることになるのだろうか。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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