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公式サイトがドラフト指名選手対象の意識調査を公表 NBA1年目で必要だと思う適応すべき点とは?

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
新人選手の中には八村塁選手を新人王候補に挙げる選手も存在する(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【NBA公式サイトが2019年版新人選手意識調査を発表】

 NBA公式サイトは19日、今年6月に実施された『NBAドラフト2019』で指名を受けた選手を対象に実施した、意識調査『Rookie Survey』の結果を発表した。

 この調査はNBA公式サイトが独自に行っているもので、新人選手の公式撮影会である『Rookie Photo Shoot』に参加した選手に、様々な質問に答えてもらうというもの。今年を含めると過去13年間で11回実施しており、今年は42選手が調査に協力している。

【新人王一番人気はザイオン・ウィリアムソン】

 質問項目の中には、「新人王を受賞するのは誰か?」と「誰が(NBA選手として)素晴らしいキャリアを過ごすか?」があり、回答した各選手が1人ずつピックアップしている。

 まず新人王受賞選手で最も人気が高かったのは、ドラフト全体1位でペリカンズから指名されたザイオン・ウィリアムソン選手で、全回答数の35%を獲得している。

 続いて2番人気は全回答数の27%を獲得し、全体2位でグリズリーズから指名を受けたジャ・モラント選手が入っている。やはり上位指名された選手が、他の選手からも高い評価を受けている。

【八村塁も両項目で得票】

 ただNBA選手として素晴らしいキャリアを過ごす選手となると、選手たちの意識は多少変化を見せている。

 最も票を集めたのは、全体10位でホークスに指名されたカム・ラディッシュ選手で、全回答数の19%を獲得。以下、同16%獲得のジャ・モラント選手、同11%獲得のディアンドレ・ハンター選手(全体4位でレイカーズに指名された後最終的にホークスにトレード)──と続いている。

 これらの選手たちは、他の選手たちから今後の潜在能力と可能性が高く評価されているということになるのだろう。

 ちなみに注目の八村塁選手だが、得票率は高くないものの、両方の項目でそれぞれ票を得ている。彼も他の選手から注目されている選手の1人であるということだろう。

【プロ1年目でNBAに適応しなければならないこと】

 今回の意識調査で興味を引かれたのが、プロ1年目に臨む選手たちがNBAでプレーする上でどんな意識を抱いているかを垣間見られることだ。それは「NBAでプレーする上で最大の適応点は何か?」と、「改善すべき課題のスキルは何か?」という質問項目があるためだ。

 これは、八村選手にも当てはまることだ。NBA選手として初参加したサマーリーグではまずまずの評価を受けているものの、あくまで若手選手の集まりの中でのこと。今後彼がNBAでどこまで通用するのかをチェックする上でも、ここに登場する内容は大きな目安になるだろう。

 まず適応点に関しては、第1位が「スピードもしくは試合のペース」だ。回答した選手の40%が、大学よりもさらにスピードが速くなると感じている。これに、「身体の違い(身体能力、サイズ、強さ)」と「過密日程とシーズンの長さ」が同21%で同率2位、さらに「ライフスタイル/時間マネージメント」が同12%──が続いている。

 ドラフト指名を受けたことで高額年俸が保証されたため、コート以外の部分で人生のあり方について考える選手が存在しているのも、実にNBAらしい。

 またスキルに関しては、上から「シュート力」(同32%)、「ボール・ハンドリング」(16%)、「パス」(同9%)、「肉体強化」(同7%)──となっている。

【残り5つの質問項目は?】

 これ以外の質問項目として、「誰がドラフト指名以上の活躍をするか?」、「誰が最も身体能力が高いか?」、「ベスト・ディフェンダーは誰か?」、「ベスト・シューターは誰か?」、「ベスト・プレーメイカーは誰か?」──があるが、これらの項目に関しては八村選手の名前が挙がっていなかったので、ここでは省略する。

 興味がある方は、NBA公式サイトをチェックして欲しい。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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