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ブルージェイズに今季3人目の有名2世選手がMLB初昇格! 初打席初安打の上々デビュー

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
父ダンテ氏が見守る中MLBデビューを果たしたボー・ビシェット選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【父は通算274本塁打を誇る元二冠王ダンテ・ビシェット】

 ブルージェイズは29日のロイヤルズ戦を前に、傘下3Aに在籍していたボー・ビシェット選手(以下、「ボー選手」と表記)のMLB初昇格を発表した。

 同チームは前日に、エリック・ソガード選手をレイズにトレードしており、すでに現地メディアの間ではその穴埋めとしてボー選手の昇格が報じられており、既定路線の人事だった。

 2016年に同チームからドラフト2巡目指名を受けていたボー選手だが、2016年ルーキーリーグ、2017年1A、2018年2A、2019年3A──と順調にレベルアップを重ね、わずか21歳でMLB昇格を果たしている。

 ボー選手は、MLBでも名の知れた選手の2世選手だ。主にロッキーズを中心にMLB5チームに計14年在籍し、1995年には本塁打と打点の二冠王を獲得するなど通算274本塁打を記録、さらに4度のオールスター戦出場を誇るダンテ・ビシェット氏だ。

【同一チームに3人の有名選手の2世選手が揃い踏み】

 すでにブルージェイズには、先日のオールスター戦のホームラン競争で記録ずくめの活躍をみせたブラディミール・ゲレロJr.選手(2018年に殿堂入りしているブラディミール・ゲレロ氏の子息)とキャバン・ビジオ選手(2015年に殿堂入りしているクレイグ・ビジオ氏の子息)が今シーズン途中にMLB初昇格を果たしており、有名選手の2世選手が3人揃うというオールドファンには何とも嬉しい事態になっている。

 この2世選手トリオは以前から注目を集める存在で、3人揃って2Aに在籍していた際に、地元のスポーツ専門局が特集しているほどだった。

 またブルージェイズは、昇格したばかりのボー選手を早速ロイヤルズ戦に「6番・遊撃」で先発起用。ゲレロJr.選手、ビジオ選手も先発出場しており、3人揃い踏みさせるという粋な采配を見せている。

【MLB初打席で初安打を放つ】

 記念すべきMLBデビュー戦には、父ダンテ氏を含め家族揃ってカンザスシティまで応援に駆けつけた。

 そして2回に迎えた記念すべき第1打席。0-1から2球目の内角球を振り切ると、三遊間深くに飛んだ強いゴロはそのまま左翼へと抜けていった。ヒットになった瞬間ダンテ氏は思わず立ち上がりガッツポーズ。嬉しそうに家族たちとハイタッチを繰り返した。

 実はダンテ氏には、ボー選手より5歳年上のダンテ・ビシェットJr.という別の子息もいる。彼も2011年のドラフトで補償枠(FA選手移籍により獲得した上位枠指名)を利用してヤンキースから指名を受けるほどの有望選手だったが、現在26歳でナショナルズ傘下の2Aにおり、一度もMLB昇格を果たせていない。

 つまりボー選手のMLB昇格は、ダンテ氏が待ちに待った子息の晴の姿というわけだ。実に嬉しい瞬間だったことだろう。

【すでに若手育成に切り替えたブルージェイズ】

 前日のブルージェイズは、ソガード選手だけでなくエース級のマーカス・ストローマン投手もメッツに放出しており、すでに残りシーズンを若手育成に当てる方針を打ち出している。その中心にいるのが3人の2世選手といっていい。

 結局この日のロイヤルズ戦は、3選手ともに安打を記録し、チームも7-3で勝利している。残りシーズンではこうしたシーンが増えていくことになるだろう。

 残念ながらNPBでは2世選手がなかなか台頭してこないので、今回のようなケースはほぼほぼ不可能なこと。ポストシーズン争いから完全撤退してしまったブルージェイズだが、残りシーズンも十分にファンを喜ばせてくれそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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