八村塁の来季年俸は最大4億3000万円?! ドラフト1巡目指名選手の年俸額を決めるNBA独特のルール

果たして八村塁選手は20日のドラフトで何位指名を受けるのか?(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【日本人初のドラフト1巡目指名はほぼ確実】

 いよいよ現地時間の6月20日、「NBAドラフト2019」が開催される。日本人初の1巡目指名の期待がかかる八村塁選手は、ドラフトが行われるニューヨーク入りし、早くも日米メディアの取材に追われている。

 すでに本欄でもNBA公式サイトのドラフト特集記事を紹介し、10人中8人の主要メディアのNBA担当記者が八村選手をトップ14(プレーオフ進出できずドラフト指名順位抽選に回った14チーム)の1人だと予想しており、最低でも1巡目指名を受けるのはほぼ確実な状況だ。

【新人選手の年俸高騰を抑制するため登場した「ルーキー・サラリー・スケール」】

 すでに多くの日本メディアが報じているように、八村選手が1巡目指名を受ければ、プロ1年目から相当の高額年俸を手にすることができる。

 だが現在のNBAは、かつてドラフトの全体1位指名選手がプロ入り前から、大型契約を結べるような時代(例えば1994年ドラフトで全体の1位指名を受けたグレン・ロビンソン選手はいきなり10年6600万ドル(約70億円)という破格の大型契約を結んでいる)ではなくなっている。

 現行の統一労働規約に則り、ドラフト1巡目指名選手は「ルーキー・サラリー・スケール」という規則に沿った年俸額でしか契約できなくなっている。

【指名順位が下がるごとに指標年俸額も減少】

 この規則はドラフト1巡目となる1位から30位までの指標年俸額を設定したもので、チームはその額の80~120%の範囲内で選手と契約できるというものだ。指標額は1位指名が最も高く、順位が下がるごとに額も下がっていく。

 米スポーツ専門サイト『REALGM』で、2019-20シーズン版の「ルーキー・サラリー・スケール」を公開しているのでぜひ参照して欲しい。この規則はプロ1年目の年俸のみならず、プロ4年目までの年俸額に適用されることになる。

【指名順が1つ変わると年俸差は4億円以上?】

 ちなみに今回のドラフトで全体1位指名が確実視されているザイオン・ウイリアムソン選手だが、彼がペリカンズから1位指名を受ければ指標年俸額は812万700ドル(約8億6900万円)に設定されているため、最大で974万4840ドル(約10億4300万ドル)の額で契約することができる。

 そこに、同じく2位指名が予想されているジャ・モラント選手がグリズリーズから順当通り指名を受け、指標年俸額726万5800ドル(約7億7700万円)の最低ライン80%で契約すると、その額は581万2640ドル(約6億2200万円)となり、指名順が1つ変わるだけで、4億円以上もも年俸差が生じてしまう可能性もあるのだ(モラント選手の評価も高いので、実際にこの年俸差が生じることは考えにくい)。

【もし八村が11位指名を受けたなら…】

 前述通りNBA公式サイトの特集記事によれば、主要10メディアのNBA担当記者の内8人が、八村選手のトップ14以内での指名を予想している。そのうち3人が11位のティンバーウルブズで、残り5人が12位のホーネッツから指名を受けるとしている。

 仮に八村選手が11位指名を受けると、指標年俸額は335万7000ドル(約3億6000万円)に設定されており、最大で402万8400ドル(約4億3000万円)の額で契約することが可能になる。

 また12位での指名になったとしても、指標年俸額は318万9100ドル(約3億4000万円)と微減でしかなく、どちらで指名されたとしてもプロ1年目から3億円後の年俸を獲得できるのだ。

【2年目以降の契約は八村の活躍次第】

 現行の統一労働規約では、ドラフト1巡目指名を受けた選手は、プロ2年目までの契約が保証され、3年目と4年目は1年ごとにチームが選手との契約オプション権を得ることになっている。

 つまり選手は期待通りの活躍をすれば、4年間はチームに在籍でき、「ルーキー・サラリー・スケール」の範囲内ながら最大限の年俸を獲得できる。だがその反対に期待外れに終わってしまえば、わずか2年でチームを離れなければならなくなるのだ。

 すべては八村選手が、自らの力で道を切り開いていかねばならない。まずはドラフトに注目したい。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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