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NBAドラフト1巡目指名率は77.8%! 八村塁が選出確実なエリートクラスの実力度は?

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
全米バスケットボール記者協会から大学男子“ベスト5”に選出された八村塁選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【八村塁が全米バスケットボール記者協会選出のベスト5入り!】

 八村塁選手が現地18日、全米バスケットボール記者協会(USBWA)が選出する大学男子部門の今シーズンの優秀選手に選出された。同組織では5人1チームで、ファーストチーム、セカンドチーム、サードチームの3チームを選出しているが、八村選手が最も高い評価を受けるファーストチーム、日本流に表現すれば“ベスト5”に選ばれたのだ。

【NCAA選出の“統一”全米チーム入りもほぼ確実!】

 米国ではUSBWAの他に、AP通信、スポーティングニュース、全国バスケットボールコーチ協会(NABC)の3組織が同様に優秀選手を選出し、最終的に4組織の選出結果を元に全米大学体育協会(NCAA)が“Consensus(統一)”の全米チーム(All American Team)を選定することになる。

 ちなみに八村選手はスポーティングニュースでもすでにファーストチームに選出されており、また残り2つの組織でもファーストチームに選ばれる公算が強く、NCAAの全米チームでもファーストチーム入りはほぼ確実視されている。まさにそれはNCAAディビジョン1に所属する全国32カンファレンス、351校のベスト5ともいえる存在で、今シーズンの大学バスケ界の“エリートクラス”に仲間入りしたといえるものだ。

【過去10年間でNBAドラフト指名率は何と95.7%】

 これまで過去10年間でNCAAの統一全米チームのファーストチームに選ばれた選手たちの動向をチェックしてみると、やはりエリートと呼ぶに相応しい選手ばかりだ。全47選手(1人が3年連続選出でもう1人が2年連続選出)中45選手がNBAドラフトで指名を受けている。その指名率は実に95.7%に達している。

 さらにドラフト指名を受けた45選手の内、35選手が1巡目指名を受けており、1巡目指名率も77.8%に上る。NBAでドラフト1巡目指名選手ともなれば、プロ1年目から主力選手として開幕ロースター入りがほぼ約束され、中には即先発選手としての期待もかかる存在もいる。まさに即戦力ばかりが揃っているのだ。

 ちなみに現在のNBAで確固たるスター選手の地位を築き上げてるステフィン・カリー選手、ジェームス・ハーデン選手、デマーカス・カズンズ選手、ブレイク・グリフィン選手、アンソニー・デイビス選手らも統一全米チームのファーストチームに名を連ねてきた選手たちだ。

すでにNBA入りの準備は万全!?あとは八村の決断次第

 つまり現在の八村選手は、すでにNBAからドラフト1巡目指名を受けてもおかしくない実力に達し、プロ1年目から主力選手の1人として活躍することが期待される存在になっているということだ。

 ただ八村選手はまだ大学3年生であり、通常ならばもう1年大学生活を残している。彼が今年6月に実施されるNBAドラフトの対象選手になるには、現在出場している全米大学選手権(いわゆる「NCAAトーナメント」)後のシーズンが終了した時点でプロ入り宣言をしなければならない。

 最終的にはゴンザガ大のマーク・ヒューHCや家族と話し合って、八村選手自身が進路について決断を下すことになるが、来月にはその去就が明確になっているはずだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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