バスケ日本代表は永吉佑也を必要としていないだろうか?

10日の新潟戦で日本人長身選手たちを圧倒した永吉佑也選手(筆者撮影)

 先月21日に本欄で、インサイドで強さを増し始めた京都ハンナリーズの永吉佑也選手についてレポートする『インサイドで力強さを増しつつある永吉佑也は日本のチャールズ・バークレーになれるか?』という記事を公開した。あれから3週間しか経過していないが、改めて永吉選手の潜在能力の高さを見せつけられることになった。

 京都は9、10日、地元で新潟アルビレックスBBと対戦した。前節3日の琉球ゴールデンキングス戦で右足首を負傷し、途中退場していた永吉選手は出場自体が危ぶまれていたが、練習もできないまま万全でない状態で本番に臨み、2試合を戦い抜いた。特に10日の第2戦では先発に復帰し、チーム最長の26分13秒の出場を果たし、15得点2リバウンド1アシストの活躍でチームの勝利に貢献した。

 「今日は相手選手の永吉選手のパフォーマンスについて私たちのビッグマンがちょっと対応できなかったことが、ここが大きなポイントになってしまったかなと思っています」

 決勝のブザービーターを決めるなど38得点を挙げたジュリアン・マブンガ選手の活躍を称える一方で、新潟の庄司和広HCは、永吉選手とマッチアップした遥天翼選手(194センチ)、鵜澤潤選手(196センチ)がファウルトラブルに陥り、試合終盤で十分なプレーができなかったことを敗因の1つだったと説明している。相手HCが脱帽してしまうほど、インサイドで他の日本人長身選手たちを圧倒してみせた。

 その点については京都の浜口炎HCも永吉選手に最大の賛辞を送っている。

 「(永吉選手のインサイドは)凄いですし、強いですね。外国人選手についても何とも思わないというか、普通につけてますね。ジュー(マブンガ選手)がつくよりも、逆に彼の方がいいんじゃないかと思ってしまいますし、彼ら2人も(コート上にいる時は)ジューが自然と外のプリメーターの選手につくようになってきてますね。

 マーカス(ダブ選手)より身体は強いですし…。マーカスはクイックに動けますけど、ジョッシュ(スミス選手)は身体が強くて、(永吉選手は)その中間というか、非常によく守っていると思います。

 また今度(日本代表の強化合宿に)呼ばれていくんですけど、今はアウトサイドの3ポイントも非常にいいですし、ドライブも切れてきましたし、それこそ海外の選手にも身体で当たり負けしないいいディフェンスもできています。そして彼がいれば(チームに)エナジーを与えてくれます。代表に対する思いというのも凄く強い選手なので、僕らからすればぜひロースターに残ってほしいと思ってます」

 浜口HCが説明するように、永吉選手は12日から始まる日本代表の第15次強化合宿に参加することになっている。FIBAワールドカップ2019アジア地区1次予選となる2試合(22日のチャイニーズ・タイペイ戦、25日のフィリピン戦)を目前に控え、今回の合宿は最終ロースター12人を選ぶ最終局面ともいえるものだ。もちろん永吉選手も気合いが入りまくっている。

 「(日本人ビッグマンに)もちろん負ける気はしません。自分が日本人ビッグマンの中では自分が一番だと言いたいと思っています。そこの勝負に関してはこだわってやっている部分もありますし、ガンガン攻めたいですし、まして『オンザコート1』(外国人選手が出場可能人数が1人の時)の時間帯なら常に攻めるべきだと思っています。

 炎さん(浜口HC)には凄く背中を押してもらっていると思ってますし、自分も代表合宿での経験を京都に戻ってきて炎さんとよく話したりしているんですけど、ラマス(代表HC)の考え方が炎さんに似ているなと思っていて、どちらのコーチも信頼していますし、今のまま自分自身がもっと努力を続ければきっと…。自分が進んでいる道は間違ってないと信じてます。

 実際(足首の)怪我をしていなければ(代表入りに)もっと自信はあったと思います。正直怪我に関しては不安な部分があって…。でも自分で言うのもなんですけど、凄いいいリカバリーができたなと思っていて、沖縄にいた時は杖無しで歩けなかったぐらいだったのに、昨日、今日と試合に出られたのは凄く自信になったというか、ちゃんとリカバリーができるタイプの人間なんだなと思います。なのであと2日あれば全然違った足首の状態になっていると思います。そういった面でも代表に選ばれる自信を持ってやりたいです」

 確かに永吉選手のコンディションは盤石とはいえない。しかし新潟戦で披露したパフォーマンスは、一度コートに立てば全身全霊のプレーに徹する彼の献身さを十分に発揮したものだった。国際試合では日本代表が常に課題となってしまうインサイドの領域で、ブルーカラー的な役割を担えるのはまさに永吉選手なのではないだろうか。

 いずれにせよ、永吉選手が日の丸ジャージーに袖を通す日が近づきつつあるのは間違いなさそうだ。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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