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ヤンキースの明るい未来を支える圧倒的なファーム組織

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
MLB公式サイトで有望選手第1位に選ばれたグレイバー・トーレス選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 本欄において10月23日に『ヤンキースは新たな黄金時代を迎えようとしているのか』という記事を公開した。2017年シーズンにアーロン・ジャッジ選手を筆頭に若手有望選手が主力クラスとして台頭するとともに確固たるマイナー組織を確立したことで、ヤンキースが新たな黄金時代を迎えようとしているという内容だった。

 この記事を裏づけるニュースが飛び込んできた。マイナーリーグ公式サイト(MiLB.com)が現地1日、2017年シーズンを部門ごとに表彰する『MiLBY』を発表し、ヤンキースのマイナー組織が「年間最優秀マイナー組織」に選出されたのだ。

 この賞は「年間最優秀先発投手」「年間最優秀リリーフ投手」「年間最優秀オフェンス選手」「年間ベスト試合」「年間ベスト本塁打」等々、各部門ごとに公式サイトのスタッフとファンが別々に選定を行うもの。ヤンキースのマイナー組織は公式サイト・スタッフによって最優秀組織に選出されている。

 公式サイトに公開されている記事によれば、今シーズンのヤンキースのマイナー組織は、3A、2A、1A(3つあるすべて)、ルーキーの各6リーグですべてプレーオフ進出を果たし、さらにMLB公式サイトの『2017 Prospect Watch』で第1位になったグレイバー・トーレス選手を筆頭に、トップ100に計5選手を輩出していることが選考理由になっている。

 ちなみにトップ100にランクインしている5選手中2選手が、昨シーズン主力選手を大量放出した際に交換要員としてヤンキースに移籍してきた選手たちだ。ブライアン・キャッシュマンGMの思惑通り、メジャーの世代交代に成功したばかりか、マイナー組織の強化にも成功している。

 もちろん公式サイトでも、強力なマイナー組織を築き上げたヤンキースが再び黄金時代を迎えようとしていると予測している。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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