エンゼルスの元クローザーが1ドルで金銭トレードへ
米国のAP通信が8日に報じたところによると、レンジャーズが、傘下3Aに所属していたエルネスト・フリエリ投手をたった1ドルでマリナーズに譲渡したというのだ。
エルネスト・フリエリ投手といえば、2009年にパドレスでMLBデビューを飾り、2012年のシーズン途中でトレード移籍したエンゼルスに素晴らしい成績を残したことで知られる。2014年に再びピッツバーグにトレードされるまでの約3年間で主にクローザー役を務め、6勝9敗71セーブ、防御率3.80という実績を残した右腕投手だ。
しかしパイレーツ移籍後から転落人生が待ち受けていた。シーズン途中でDFAされマイナーに降格すると、シーズン終了と同時に解雇処分になってしまう。翌2015年はレイズと契約し、22試合に登板したが、やはりシーズン途中でDFAされマイナーに降格し、そのままシーズンが終了。さらに2016年に至っては、フィリーズとマイナー契約を結びメジャー・キャンプに参加していたが、メジャー昇格を果たせないまま4月の段階で解雇され、そのまま新しい所属先がみつからなかった。
そして迎えた今シーズンは、ヤンキースとマイナー契約を結びメジャー・キャンプに参加。シーズン開幕後は傘下の3Aで17試合に登板し、2勝0敗7セーブ、防御率3.00とまずまずの成績を残していたが、6月4日に解雇処分になってしまった。同15日にはレンジャーズとマイナー契約を結び、17日は2年ぶりのメジャー昇格を果たすことができたが、6試合の登板で0勝1敗、防御率5.14と苦しみ、わずか2週間あまりのメジャー在籍で7月4日にはDFAされ、傘下の3Aに回っていた。
3Aに回ってからは7試合に登板し、0勝1敗、防御率1.42とまずまずの安定感をみせていたこともあり、今回マリナーズへの金銭トレードが成立したようだが、補償額が1ドルということからもわかるように、レンジャーズではすでにフリエリ選手に見切りをつけていたようだ。過去の実績を考えれば、あまりに寂しいトレードだ。
マリナーズでも傘下の3Aに回る予定だが、シーズンは来月4日で終了してしまう。メジャー再昇格をアピールするにはあまりに短すぎる。それどころかここ数年のフリエリ投手の動向を見れば、シーズン終了後にマリナーズに残れるかどうかも危うい状況だろう。
まだ32歳のフリエリ投手に起死回生の復活劇はあるのだろううか…。