Yahoo!ニュース

「ドラゴンクエスト」の新作「ウォーク」 「ポケモンGO」のヒット生かせるか

河村鳴紘サブカル専門ライター
「ドラゴンクエストウォーク」のロゴ

 スクウェア・エニックスの人気ゲーム「ドラゴンクエスト(ドラクエ)」シリーズの新作スマートフォン用ゲーム「ドラゴンクエストウォーク」が年内に配信されます。「ポケモンGO」や「妖怪ウォッチ ワールド」と同じタイプの位置情報ゲームだけに、「二番煎じ」と批判される可能性もありましたが、スクウェア・エニックスと開発会社のコロプラの株価も上がったように、市場の反応は上々です。

 「ドラゴンクエストウォーク」は、ドラゴンクエストの世界と化した現実世界を、プレーヤーが主人公となって歩いて冒険を進めていくRPGです。3日に開かれた会見では、位置情報ゲームの“先輩”の「ポケモンGO」にも影響を受けたことを認めていました。また、東京の街並みをバックにスライムなど同シリーズのモンスターが現れる映像も公開されました。

 位置情報ゲームは、「ポケモンGO」の元になったゲーム「イングレス」や「妖怪ウォッチ ワールド」など多くの人気ゲームがあります。また「ポケモンGO」の社会的現象から3年が経過しています。位置情報ゲームが広く認知され、「ポケモンGO」の多くの“休眠ユーザー”も狙える展開は、「ドラクエ」にとって理想的。「ポケモンGO」のヒットを生かしたいところです。

 ただ「ポケモンGO」の存在は心強いともいえますが、似ているだけにゲーム内容の評価の比較対象となるのも確か。「ウォーク」がどこまで「ドラクエ」らしいオリジナリティーを出して、ゲームとして面白くできるか。高い前評判は、もろ刃の剣です。

 スクウェア・エニックスによると、「ウォーク」の展開は、現段階では国内のみを考えているといいます。「ドラクエ」の知名度を考えれば、まずは国内のファンの拡大、掘り起こしを狙うのは定石。「ポケモンGO」のヒットで他のポケモンゲームが好調だったように、今秋に発売を控えるニンテンドースイッチ用ソフト「ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて」のプロモーションになるのもプラスでしょう。もちろん「ウォーク」がヒットをすれば、単独で別の展開もありそうです。

(C)2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.『ドラゴンクエストウォーク』は、Google Maps Platform を使用しています。※画面はすべて開発中のものです。

サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

河村鳴紘の最近の記事