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元旦のタイ戦で見たかった”裏日本代表”23人

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:REX/アフロ)

2024年元旦に行われるタイとの親善試合に臨むメンバー23人が発表された。アジアカップに向けた強化と競争の意味合いもあるが、久保建英(レアル・ソシエダ)や三笘薫(ブライトン)など、年末まで試合があるイングランドのプレミアリーグやスコットランド、ポルトガル、イタリア、そして年始に試合のあるあるラ・リーガの選手は対象から外れている。

また国内組でも、リーグのシーズン終了後に2週間はオフを取らせるという必要があるため、クラブワールドカップに出場する伊藤敦樹(浦和レッズ)などはそもそも今回は選考が見送られた可能性が高い。

そうした状況の中で選ばれた今回の23人も楽しみなメンバーだが、フレッシュさという意味では少し物足りなさもあり、筆者としてもこの選手は呼んで、試して欲しかったという有力候補は多い。そこで「裏日本代表」ということで、国内外を問わず、今回の選考から漏れた選手でメンバーを構成してみた。

ただし、JリーグのMVPに輝いた大迫勇也(ヴィッセル神戸)はシーズンの疲労とリスペクトも込めて”殿堂入り”とした。

裏日本代表(選 ・河治良幸)

高丘陽平(バンクーバー)

小島亨介(アルビレックス新潟)

朴一圭(サガン鳥栖)

角田涼太朗(横浜F・マリノス)

渡辺剛(ヘント)

山川哲史(ヴィッセル神戸)

佐々木翔(サンフレッチェ広島)

常本佳吾(セルヴェット)

半田陸(ガンバ大阪)

瀬古歩夢(グラスホッパー)

麻田将吾(京都サンガ)

三竿健斗(ルーヴェン)

川辺駿(S・リエージュ)

脇坂泰斗(川崎フロンターレ)

渡辺皓太(横浜F・マリノス)

満田誠(サンフレッチェ広島)

紺野和也(アビスパ福岡)

佐々木大樹(ヴィッセル神戸)

橋本拳人(ウエスカ)

鈴木唯人(ブレンビー)

小川航基(NEC)

大橋祐紀(湘南ベルマーレ)

武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)

基本布陣 4ー3ー3

GKはMLSのバンクーバーで守護神を担う高丘陽平とJリーグでも活躍が目立った朴一圭、そして10月の活動で追加招集された小島亨介の3人を選んだ。

右サイドバックは11月に五輪代表チームのアルゼンチン戦で2アシスト、3つのゴールに絡むなど活躍を見せた半田陸、鹿島からスイスに渡り成長中の常本佳吾で構成した。センターバックは欧州組の渡辺剛と瀬古歩夢に加えて、怪我から復帰後、マリノスで攻守に存在感を見せる角田涼太朗、そして神戸のJ1優勝を支えた山川哲史を選んだ。

左サイドバックは広島で抜群の安定感だった佐々木翔が鉄板。前回のE-1でキャプテンを任された経験もあり、若い選手の多いチームを引っ張ってくれそうだ。もう一人は色々な選手をリストアップしたが、大型サイドバックとして伸びしろがあり、センターバックもこなせる麻田将吾をピックアップした。

中盤は4ー2ー3ー1との可変も想定しながら、前回は怪我で辞退となった川辺駿を筆頭に、ベルギーのルーヴェンでスタメンを掴んでいる三竿健斗、Jリーグで存在感のあった脇坂泰斗と渡辺皓太、そして長期の怪我から見事な復活を遂げた満田誠、そしてスペイン2部で奮闘中の橋本拳人の6人で組んだ。

DF角田にも言えることだが、脇坂と渡辺に関してはACLとオフの兼ね合いで、メンバーに入れにくかった可能性もあるが、招集は可能ということで”裏日本代表”には加えさせてもらった。橋本拳人に関しては2部がスペイン1部と日程が違い、年末年始にリーグ戦がないため、招集は可能という前提がある。

アタッカーはサイドが神戸の武藤嘉紀と佐々木大樹、ルヴァン杯に優勝した福岡の切込隊長である紺野和也、そして半田と同じく、アルゼンチン戦での活躍が目覚ましかった鈴木唯人をチョイス。もちろん4ー2ー3ー1であれば鈴木はトップ下を任せることができる。いわゆる10番と7番をこなせるタイプで、今後cA代表の競争でも武器になりそうだ。

Jリーグで10得点10アシストを記録した武藤も最後は満身創痍だったこともあり、大迫と同じく”殿堂入り”でお休みいただくことも考えたが、若い構成になった中で、前線の引き締め役としても期待して入れた。FWはオランダで奮闘する小川航基、湘南で町野修斗(キール)がいなくなった攻撃陣を引っ張り、13得点を記録した大橋の二人で構成した。ドイツでの状況もあり、町野を外して大橋を選ぶという皮肉な結果にもなったが、町野には是非とも奮起して這い上がってもらいたい。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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