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活躍次第では日本代表に名乗りも。シーズン後半戦で注目したいJリーガー

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

J1がシーズン折り返しとなり、代表ウィークを終えて、後半戦がスタートしました。

6月の代表シリーズでは「”森保ジャパン”ペルー戦で猛アピール期待のシックスメン」というテーマで注目選手を挙げましたが、伊藤涼太郎がアルビレックス新潟からベルギー1部シント=トロイデン、町野修斗が湘南ベルマーレからドイツ2部のホルシュタイン・キールに完全移籍、横浜FCの小川航基がオランダ1部NEC移籍を見越した渡欧を決めるなど、代表候補の選手たちにも動きが出てきています。

それでも、Jリーグには今後の活躍次第でA代表に食い込めいけるタレントがいるはず。ここから”森保ジャパン”に入っていくことが期待できる選手7人を選びました。今回はカタールW杯以降に未招集であれば、実績組も対象に入れています。

金子拓郎(北海道コンサドーレ札幌)

ドリブル、シュート、左右のクロス。今Jリーグに在籍している日本人アタッカーではシンプルに個の能力が一番高い。それが8ゴール4アシストという結果にもつながっている。札幌の3ー4ー2ー1で右のアウトサイドというポジションではあるが、ウイングバックというより右肩上がりのウイングである。強いて課題をあげるならボールを受けるところでミスが散見されて、それが失点リスクにつながることも。ただ、森保ジャパンは基本4バックなので、より前向きに勝負できるかもしれない。ネックはもちろん、同ポジションに伊東純也、堂安律など、鉄板の欧州組がいることだが、第二期・森保ジャパンのサイクルで、最もチャンスを与えてほしいJリーガーの一人だ。

武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)

シーズン前半で好調だった神戸の象徴的な選手は大迫勇也だが、チームとしての強度を維持することが難しくなって来ている中でも、右サイドからクオリティの高いプレーを継続している。しかも大迫に引き出されてか、個として違いを生み出すべきシーンでも、存在感が高まっている。ここまで8ゴール8アシスト。合計16ゴールポイントは同僚の大迫勇也や得点トップのアンデルソン・ロペス(横浜F・マリノス)を上回る。昨年のE-1は負傷辞退となった不運もあり、どこかでまたチャンスが巡ってくることを期待したい。

関根貴大(浦和レッズ)

直近の湘南戦で2ゴールを決めたインパクトも選出の理由だが、シーズン序盤から攻守のインテンシティーが安定しており、むしろ右肩上がりになってきている。マチェイ・スコルジャ監督は代表基準での強度をチームに求めており、伊藤敦樹の初招集は象徴的だった。そうした要求に、愚直に向き合っている一人が関根であることは間違いない。浦和のアカデミー育ちとして大きな期待を背負って欧州に渡ったが、志なかばで帰国。浦和を背負うことにフォーカスして、献身的なプレーはリカルド前監督の時から見せてきたが、指揮官のもとで一皮も二皮も剥ける可能性が高い。

河原創(サガン鳥栖)

毎試合のようにJ1トップの走行距離を叩き出しているが、数値だけではない。J2のロアッソ熊本からステップアップしてきたが、チームがなかなか上がってこない状況でも、河原はリーグ戦にフル稼働しながら、抜群の機動力と気の利いたポジショニング、組み立てなどで下支えしてきた。そこから徐々にチームが上向く中で、さらに攻守両面で輝きをましている。ポジションがら、なかなかゴールやアシストといった目に見える結果を積み上げることは難しいが、鳥栖が上位に躍進すれば比例的に河原の評判も高まるはずだ。

山本悠樹(ガンバ大阪)

一時は最下位に沈んだところから結果がで出しているガンバで、中盤から長短のパスを駆使して、攻撃をオーガナイズしているのが山本だ。大卒ルーキーの頃から期待されたが、チーム状況の変化に翻弄されてきたところもある。今シーズンもポヤトス監督が来て構築の初期段階では苦しんだが、チームの立ち位置が安定し、中盤の構成力もバランスアップしていく中で、車輪の軸のような存在としてスケールアップが見られる。代表基準で言うと、遠藤航や前回招集された川辺駿、伊藤敦樹のような”ボックス・トゥ・ボックス”タイプではないが、そうした選手を前向きに生かせるバランスワークやガイドラインは現在の代表に足りない要素でもある。

樋口雄太(鹿島アントラーズ)

岩政大樹監督のもと、波に乗りそうで乗り切れていない鹿島だが、加入2年目の樋口はボランチとしてはもちろん、サイドハーフのポジションでも戦術的なタスクと個のクリエイティビティを出して、チームの勝利に貢献している。そして昨年のE-1を前に調子を崩し、メンバーからも漏れた反省は現在に生きているはず。セットプレーのキッカーとしても優秀であり、FW鈴木優磨のフィニッシュに次ぐ得点源になっている。ここまで1得点6アシスト。本人も課題にあげるように、さらに目に見える結果はもっとほしい。そうした部分を持続的に伸ばしていくことプラス、鹿島がもっと上昇していくことが条件になってくる。

香川真司(セレッソ大阪)

偉そうな話になってしまうが、もし筆者が代表監督であれば、この選手を軸にチームを作りたい。そう思わせるだけのパフォーマンスをJリーグの舞台で示している。元々、驚異的なアジリティとテクニックが特長で、そこに引っ張られてアタッカー色の強い仕事が求めらた流れもあるが、飛び級でアンダー代表に選ばれていた16、17歳の頃はクリエイティブなボランチだった。視野の広さや流れを読む力に豊富な経験が加わり、セレッソの中盤で攻撃を組み立てながら、オフでも周りに指示を出してチャンスの起点となっている。札幌戦ではエレガントなゴールで話題をさらったが、守備でも円熟期のピルロを想起させるものが。年齢的にタイミングは難しいかもしれないが、もし今年E-1があったらと残念な気持ちになってしまう。代表復帰は森保監督の指針に従うしかないが、ぜひACLで観たい。そして清武弘嗣とのコンビ復活にも期待だ。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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