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日本代表に初選出!ドイツでフルシーズン奮闘した伊藤洋輝が語るカタールW杯への思い

河治良幸スポーツジャーナリスト
Photo Yoshiyuki Kawaji

日本代表の森保一監督は6月に行われるキリンチャレンジカップとキリンカップのメンバー28人を発表。ジュビロ磐田からドイツ1部のシュトゥットガルトに期限付き移籍しているDF伊藤洋輝が初招集となりました。

昨年夏の東京五輪メンバーに選ばれなかった伊藤ですが、単身渡ったドイツで大きく成長を見せました。森保監督は選出理由について「シーズンを通してディフェンスのポジションで出続けた。守備のところで屈強な相手を止めながらも、攻撃の起点になる選手として活躍していた」と語ります。

実は東京五輪を目指す代表チームで最初にメンバー入りしており、A代表と兼任していた森保監督にとっては”1チーム2カテゴリー”のラージグループの一人でもあります。

ただ、当時ジュビロ磐田ではMFとして起用されており、そこから「守備力が格段に上がった」と森保監督は評価します。

その伊藤洋輝にドイツでの戦いと日本代表、カタールW杯への思いを聞きました。

ーーシュトゥットガルトが1部残留を決めた試合は映像で観ていても鳥肌が立つ劇的な幕切れでしたね。

そうですね。残留かプレーオフかという試合で、引き分けでしたけど、そこの差というのはやっぱり大きいですね。終わりよければ全てよしじゃないですけど、本当に最後はチーム1つになって勝ったっていう達成感がすごい大きいゲームでした。

ーーあの時間帯で、あのフリックで遠藤航選手のゴールをアシストした瞬間と言うのは?

まあ、僕基本はセットプレーで後ろ残りなので。点取に行かなきゃいけなかったし、そこの結果が出たと言うのはよかったなと思いますね。

ーー遠藤航選手がファーに飛び込んでくるのは感覚的に分かってましたか?

いやあ全然分かってないですよ。僕はニアで当てただけで。あとは枠には飛んでなかったので、そこに航くんがいて、決めてくれたので。日本でもニュースになって良かったです(笑)。

スタジアムの雰囲気というのはあの瞬間だけでなく、毎試合すごいという伊藤洋輝。外から見ていると屈強なセンターバックに立ち向かい、強さを見せているが、やっている本人は「慣れもありますけど、サッカーが違うというのを身をもって感じた」と振り返ります。

「やっぱりフィジカルの差とか、そこに関しては強い奴が集まっている。その中で、組織がしっかりしているチームが強い。何が違うかって言われると色々と違いすぎて、別もんというか(笑)」

ーーそういう世界でも外から見ていると、当たり負けしないところも見せていましたが、洋輝選手の感覚というのは?

当たり負けしましたよ(笑)。つええもん。つええやつしかいないから。その中でも、賢く戦うのが大事ですけど、やっぱり真っ向勝負というか、フィジカル無しではやれないリーグで、そこに関しては日々、経験も含めて成長してきたと思う。もっともっと積み重ねるしかないですね。

ーー去年の今頃、ズームで取材させてもらった時に、自分は東京五輪の実力に足りていないと思うし、でも行って這い上がっていきたいと。その時から自分の中での成長の実感というのは?

行く前は正直、トップチームでこんなに試合に出ると思っていなかったので。数字だけ見れば、本当に満足する個人の数字は得られたと思います」

ーーこの前、森保監督に話を聞いた時に、洋輝は1シーズン、レギュラーとしてやり通したことを評価していると。そこはすごいことだと思います。

まあ、そうですね。怪我人とかコロナとか、そういうのがいっぱい出るシーズンだったので。どこのチームも同じだと思いますけど、そういったこともあって掴んだものなので。まだまだ結果を出すためにやっていきたいと思います。

ーー日本代表で意識したものとして、2018年の立ち上げメンバーでもあるじゃないですか。そこからの現在地と日の丸に対する思いは?

それは監督が選ぶものだし、僕たち選手はチームでどう結果を残すかということしかやり様がないので。そこを評価してもらって入るものなので。ただ、メンバーに入れば代表チームというのは国のために戦うものなので。

ブラジルともできるので、そういった意味も含めて、W杯で当たるのはドイツだし、そのアドバンテージはあるんじゃないかって書いておいてください(笑)。

ーー森保監督が世界のトップ選手がブンデスにもいて、そういう選手とやり合っているところも評価のポイントと言ってましたが、ワールドクラスのFWと対戦して、カタールW杯に向けての自分の中の手応えはどうすか?

一人でやっているものではないので。味方のサポートもありながらやって来られたものだし、俺の周りにもフィジカル強靭な男たちが集まってるので(笑)。そういった選手たちにもサポートしてもらいながら、1シーズンやってきたので。

逆に代表チームとして戦う日本人の良さも、戦う上では重要になってくるので。まずはメンバー入りに向けては、所属チームの中でやっていくしかないので。継続して試合に出続けていたら、自然とW杯というものが近づいてくると思います。

ーーその強靭な男たちの中で”デュエル王(遠藤航選手)”は間近に見ていてどういう存在ですか?

やっぱり走れるし、強いですよ。デュエルってボールを奪うことだけでもないし、攻撃のところでも1対1で勝てば。そういった意味で、中盤の1個前のポジションをやってますけど、同じチームメートとしては本当に頼もしい存在ですね。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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