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若手に負けるな。2021年さらに輝くオーバー30のJリーガー5人

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

青山敏弘(サンフレッチェ広島)

実力、実績に今さら説明の必要はないが、長らく膝の古傷に悩まされながらプレーを続けてきたことも事実。効果的な治療法が見つかり、良好な状態で合宿に臨む姿は新たな期待を感じさせた。恩師の森保一監督が率いる日本代表への復帰も視野に入れているようだ。卓越した観察眼に裏打ちされた展開力とボールキープは技術レベルの高い広島でも際立つが、青山と言えば”一本のパス”。ジュニオール・サントスを加えた前線に絶好のボールが出れば出るほど、広島の進撃が加速する。

鈴木大輔(ジェフユナイテッド市原・千葉)

昨シーズンの浦和ではなかなか出番を得られなかったが、新天地のジェフではこれまで直接の面識がなかったというユン・ジョンファン監督からも短期間で信頼を高めて、新加入にしてキャプテンを任された。確かな戦術ガンとラインコントロールのセンスはディフェンスリーダーという立場でこそ発揮される。その意味でも悲願のJ1昇格を目指すジェフで真価を発揮する条件は揃っている。

山田直輝(湘南ベルマーレ)

トレードマークの童顔で若手にいじられることも多く、ベテランという響きは全く実感がわかないという。目標は1年間を通してチームの勝利に貢献すること。コンディションが良好であればトップレベルの実力者であるのは疑いの余地がない。これまで怪我続きのキャリアだったが、昨シーズンの終盤にようやく見つけたという体のケアを続けながら、フルシーズンでの活躍を目指す。監督の要求に応えながら「違いを見せたい」というプレーで湘南を残留、さらなる躍進に導けるか。

遠藤保仁(ジュビロ磐田)

昨シーズンの途中にガンバ大阪から移籍して”マサくん”こと鈴木政一監督のもとで攻撃のタクトをふるい、終盤に大きく順位を浮上させる原動力となった。しかし、目標としていた昇格には届かず。故郷でもある鹿児島合宿から強化を図るチームの主軸として、改めてJ1昇格を狙う。近年のガンバで宇佐美貴史などに任せることが多かったCKも率先して蹴るなど、強い意欲を示している。

阿部勇樹(浦和レッズ)

すでに浦和の”生けるレジェンド”として認められるが、新体制でキャプテンに就任。ベンチでも頼りになる存在から、再びピッチで輝く象徴として開幕スタメンにも名を連ね、開早速ゴールを決めた。リカルド監督のスタイルにおいてボランチは戦術的な生命線。”相棒”の伊藤敦樹らとバランスワークを協力しながら、いかにチームをオーガナイズしていくか期待される。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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