Jリーグ開幕特集:J1で大出世が期待される”個人昇格組”セブン

山下敬大  提供/SAGAN TOSU

Jリーグの2021シーズンが開幕。代表候補から大卒ルーキー、ベテランなど選手でもいろいろな注目方法はあるが、今回はJ2からJ1に”個人昇格”した中から注目選手を筆者の評価で7人ピックアップした。ここから”出世頭”になるのは誰か。

渡邊凌磨(モンテディオ山形→FC東京)

”個人昇格組”でも現時点では”出世頭”に最も近い存在だろう。合宿を通しての長谷川健太監督の評価も右肩上がりの様子で、右ウィングのファーストチョイスとして、開幕スタメンも十分に射程圏だ。アンダー代表から鋭いドリブルは注目されていたが、ハードワークを加えて良い守備から効果的な攻撃に繋げられる選手に成長している。2013年のU−17W杯に出場し、ドイツで3シーズン過ごした経験もある。J1の舞台でしっかりと結果をの残してスターダムに乗って行きたい。

岡村大八(ザスパクサツ群馬→北海道コンサドーレ札幌)

名は体を表すと言うが、まさしく大八車のような力強いディフェンスと効果的な持ち上がりで存在感を示す。大卒から飯野七聖と同じくJ3時代の草津に加入。そこからJFL時代のテゲバジャーロ宮崎期限付き移籍するなど、芽が出るまで時間をようした。しかし、J2に昇格した草津に戻ると、フィールド選手では唯一リーグ戦の全試合にフル出場という活躍で評価を高めた。異色の経歴だが今月24歳になったばかり。97年生まれなので東京五輪の出場資格も満たしている。新天地の札幌では”ミシャ式”のビルドアップに慣れる必要はあるものの、屈強な肉体を押し出す攻撃的なディフェンスで大ブレイクを果たせるか。

飯野七聖(ザスパクサツ群馬→サガン鳥栖)

新潟のアカデミー出身で、国士舘大を経て当時J3だった草津に加入。2シーズンで大きく評価を上げて、プロ3年目にしてJ1初挑戦となる。鳥栖の右サイドバックと言えば昨年は五輪候補合宿にも招集された森下龍矢がブレイクした。その森下は名古屋に移籍したが、前任者に匹敵するアップダウンの能力を誇り、戦術適応力も高い。鳥栖のビルドアップをサポートしながら、推進力のあるドリブルとトップスピードでもブレない確かな技術でアシスト、さらにゴールも狙う。

今津佑太(ヴァンフォーレ甲府→サンフレッチェ広島)

広島にとっては”安心と信頼の甲府ブランド”だが、キャンプでのプレーを観ても非常にフィーリングが良さそうに見えた。組織としての強度が高い広島だが、守備のデュエルでプラスの要素をもたらせる。加えてセットプレーの得点力があるだけでなく、かつての塩谷司のような流れの中での攻め上がりも期待できるため、より迫力ある攻撃を実現できそうだ。普通に組織力を発揮すれば上位争いに絡める力はあるがACL出場権、優勝と言うところに届くにはブレイクが求められる一人だ。

中村駿(モンテディオ山形→湘南ベルマーレ)

山形でのJ1昇格を目指していたが惜しくも叶わず、FC東京に移籍した渡邊凌磨とそれぞれJ1の異なる環境に移った。決定的なパスやミドルシュートにも魅力はあるが、湘南では攻守に強度を出せる特性を買われて3ー1ー4ー2のアンカーがメインになることも想定される。ただ、インサイドハーフも含めて中盤で幅広く活躍するチャンスを得られることは間違いない。

山下敬大(ジェフユナイテッド市原・千葉→サガン鳥栖)

レノファ山口からジェフ千葉、さらにJ1のサガン鳥栖と着実にステップアップ。長身で体も強いが、山口時代はウィング的なポジションから飛び出すプレーが多かった。ジェフでは堅守速攻のスタイルを牽引するため、ロングボールをおさめたり、前線でボールをキープするなど、ポストプレーの引き出しを増やした。複数のシステムを使い分けることも想定されるサガン鳥栖では1トップ、2トップ、有事にはウィングも担える山下の加入は大きい。本人は10ゴール10アシストを目標にしながら、さらに15得点まで伸ばすイメージを描いている。

小泉佳穂(FC琉球→浦和レッズ)

栃木SCから加入した明本考浩とともに注目したいセカンドアタッカー。攻撃的な役割であればボランチもこなせるが、4ー4ー2の2トップで少し下り目のポジションがハマり役になりそう。リカルド監督の戦術的な要求に応えながら、随所に創造性やインスピレーションを加えられるのが特長。”両利き”であり、キックはもちろんボールタッチも自在に使い分けて局面を高いする。CKやFKも左右の足で蹴れるスペシャリティは多くの場面で武器になりそうだ。