キャプテン吉田麻也の”初陣”。長友佑都が語る新チームのキャプテン像。

代表引退を表明した(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

日本代表の森保一監督が新メンバーとロシアW杯の主力組の融合をはかる、格好の機会として位置付けるパナマ戦とウルグアイ戦。そのキャプテンに指名されたのは吉田麻也だった。

これまでもW杯3大会に渡りキャプテンを担ってきた長谷部誠(ロシアW杯後に代表引退を表明)が怪我や休養で欠場した試合では吉田がゲームキャプテンを務めたことはあったが、正式に代表チームの主将としてキャプテンマークを巻くのはパナマ戦が最初となる。吉田キャプテンとしての”初陣”だ。その吉田キャプテンについて長く日本代表で一緒にプレーして来た長友佑都は「長谷部さんの後のキャプテンなかなか大変でしょう」と語る。

「キャプテンの概念というものを長谷部さんが変えた気がするし、新しい概念を作ってくれたので。とにかく整って、真面目で、真面目がすごいなと。概念を作ったので。吉田さんにその真面目さ、彼にあるのかと言われたらちょっと・・ですけど、彼なりのね、キャプテンシーを見せてくれるんじゃないかと思います。僕もできる限りサポートして行きたいなと思います」

現在のチームについてコスタリカ戦を観たという長友は「若い選手たちが見せてくれたなと思っていて、僕たちが若い頃に出てきたばかりでギラギラしていた何の恐れもないプレーを彼らが見せてくれた」と刺激を受けているが、チームに合流して感じたのは全体的な”大人しさ”だった。

「イメージはちょっと雰囲気が変わりましたね。大人しい感じですけどね。(以前の代表チームは)キャラ濃いやつたくさんいたので(笑)。まあ(本田)圭佑みたいに言ったらキャラ濃くて、僕も熱い話を圭佑くんとしましたけど。宇宙の話やら、生きる意味など色々話しましたけど、その話をいきなりこの若手にしても引かるので、ちょっと距離感をはかってますけどね」

そうしたチームで長友らベテランが果たして行くべき役割については「(若手のギラギラしたプレー)そこを整えるのが僕らの仕事かなと思っています」と語る。

「僕だったりマヤだったりがね。勢いだけでは正直勝てないし、W杯も見ての通りインテリジェンスがないと戦えないので、そういう経験というものを彼らにも伝えたい。ただギラギラ感というのは失って欲しくないので、僕らがうまくバランスをとって整えていければなというのは思います」

ただし、経験のあるベテランが若手にチームを継承させて行くということについては「そういう言葉はあんまり好きじゃない」という長友。その理由としてやはり彼も4年後のカタールW杯を目標にしているから。ただし、そこも到達点ではなく通過点として捉えているようだ。

「伝えているだけでさっていくようなイメージが僕自身なくて、ともに創造していく、新しいものを創造していくっていう僕自身気持ちでいるので、この若い選手たちと一緒に昇って行きたいなと。新しい日本代表、新しいものを作って行きたいという強い気持ちが芽生えています。今までなかった感覚がありますね」

そうしたチームの新キャプテンを務める吉田をサポートすることについて、どうサポートして行きたいか聞くと長友は「ちょっとキャプテンということで背負いすぎたりするものがあると思うので」と答え、こう続けた。

「キャプテン長谷部さんだったからとか、ああいうキャプテン像を自分で作って行こうというような気持ちがもしかしてあるかもしれないですけど、吉田は吉田なので。彼のユーモアもあるし、そういうおちゃらけた部分に付いて行ってね。彼の良さを引き出しながら、キャラを浸透させたいなと。若手もまだわからないと思うので。吉田さんちょっと怖いかなとか見ている選手もいるかもしれないし。そういうところで僕らがうまくつついて(吉田キャプテンの)キャラを引き出したいなと思います」

パナマ戦を前に”散歩隊”の写真を自身のSNSにアップした長友。そこには新キャプテンの吉田と長友、槙野智章、原口元気、東口順昭といったおなじみのメンバーに加え三竿健斗、ロシアW杯組みながらこれまで選手の代表期間中SNSなどにあまり登場しなかった柴崎岳、さらに堂安律、冨安健洋、北川航也という若手もおさまっていた。

もちろん森保ジャパンの初陣でキャプテンを務めたベテランの青山敏弘もキャプテンマークを巻く巻かないに関係なく新チームを支える姿勢を見せている。そう行った雰囲気を作れるのは「優しさで包んでくれるような、選手を守ってくれるようなそういう器の大きい方だと思う」と長友も認める森保監督のチームならでは。これからさらなる融合と競争を繰り返して来年1月のアジア杯に向かって行く日本代表。チームのパフォーマンスはもちろん、試合の中で表れるチームワークの部分にも注目したい。