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「難しい試合でゴールできてハッピー」。C・ロナウドの一撃でポルトガルがコンフェデ開催国ロシアに勝利

河治良幸スポーツジャーナリスト
試合後の会見でゴールの喜びを語るクリスティアーノ・ロナウド(撮影:河治良幸)

欧州王者のポルトガル代表はモスクワのスパルタク・スタジアムで開催国のロシアと対戦。エースでキャプテンのクリスティアーノ・ロナウドが前半にあげたゴールを守り切った。これでメキシコ戦の2−2引分けと合わせて勝ち点4となり、準決勝進出に大きく前進した。

「とても強いチームに対して、非常に難しい試合でゴールできてハッピーだ。ポルトガル代表のロシアでの最初の勝利だったから」

そう振り返るロナウドは若いアンドレ・シルバと2トップを組み、前線でマークを引き付けながら右サイドのベルナルド・シウバなどを起点とした攻撃に鋭い動き出しを見せる。先制ゴールは開始8分に生まれた。

ロシア陣内の右サイドでクリスティアーノ・ロナウドからボールを受けたベルナルド・シウバが中に切り込んで相手の守備を引き付け、左サイドに大きく展開する。ボールを受けた左SBのラファエル・ゲレイロが縦にドリブルする間にベルナルド・シウバがゴール前へと侵入すると、アンドレ・シウバがニアサイドに、ロナウドがファーにポジションを取る。

そこでラファエル・ゲレイロが選択したのはファーサイドへのハイクロス。ロシアの3バックがボールサイドに寄った状況で、ロナウドはやや外に膨らみながら、落下点にピタリとヘッドを合わせてゴールネットを揺らした。

「ホームグラウンドの相手ですごくプレッシャーをかけてきた中で、僕らのチームはいいプレーができたと思う」とクリスティアーノ・ロナウド。中盤で主導権を握るポルトガルはなおも攻勢をかけたが、前半32分にはクリスティアーノ・ロナウドのシュートがGKアキンフェエフのビッグセーブに阻まれるなど、追加点を奪えなかった。

後半になるとロシアは長身選手を中盤と前線に加えてフィジカルコンタクトに活路を見出してきた。これに対しポルトガルはラファエル・ゲレイロの負傷交代もあり、しばしば自陣で苦しい状況を迎えたが、長身の守備的MFダニーロを中盤に入れて耐え切った。

「ここまで4ポイントを取れた自分たちのチームに”コングラッチュレーション(良くやった)”と言いたいよ」

メキシコ戦からはスタメン4人が交代したが、10番を背負うベルナルド・シウバとのコンビネーションはハイクオリティな雰囲気が漂う。「試合を重ねることで、どんどん良くなっていると思う」と語るクリスティアーノ・ロナウドにとってもゴール前のフィーリングは悪くない様だ。次のニュージーランドに引分け以上で準決勝へ進出できる。

ここからエースとともに7月4日にサンクト・ペテルブルクで行われるファイナルに勝ち上がり、W杯のプレ大会であるコンフェデレーションズ杯のタイトルを勝ち取ることができるか。(河治良幸 モスクワ)

ロシア×ポルトガルが行われたスパルタク・スタジアム(撮影:河治良幸)
ロシア×ポルトガルが行われたスパルタク・スタジアム(撮影:河治良幸)
スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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