Yahoo!ニュース

リーガの乾貴士とセリエAの長友佑都。2つのリーグで戦う代表戦士が展望するチャンピオンズリーグ決勝

河治良幸スポーツジャーナリスト
長友は「ピッチに立ってみないとあの感覚は分からない」とユベントスの隙の無さを語る(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

チャンピオンズリーグ決勝がウェールズの首都カーディフで行われる(日本時間の本日深夜27:45)。対戦するのは前回王者でもあるスペインのレアル・マドリーとイタリアのユベントス。一足早く欧州でのシーズンを終え、日本代表合宿に参加しているエイバル(リーガ・エスパニョーラ)の乾貴士とインテル(セリエA)の長友佑都に、それぞれのリーグでの対戦経験から観る展望を聞いた。(質問:河治良幸)

【乾貴士(エイバル/スペイン)】 「(レアル・マドリーは)はまった時のカウンターの破壊力がすごい」

ーーリーガでプレーして来て。スペインのレアル・マドリーがチャンピオンズリーグの決勝に臨むが楽しみ?

「やっぱりスペインのチームが決勝まで行ってくれるのが嬉しいですし、応援したいというか、楽しみですね」

ーーレアル・マドリーのイメージは2年間リーガーでプレーしていて、強さをどう感じていますか?

「得点力がすごくありますし、はまった時のカウンターの破壊力がすごい。そこがユベントスを相手にどう出せるかが勝負の鍵だと思うんですけど、やっぱり前のあの3人(ロナウド、ベンゼマ、ベイル)を止めるのは大変だと思うので、たぶんユベントスも苦戦すると思いますけど、ユベントスもバルセロナを破ってきてるので、すごく勢いがありますし、面白い試合になると思います」

ーー乾選手がレアル・マドリーのアタッカーを観て参考にしたいところは?特徴はもちろん違いますが。

「特にないっすよそんな(笑)。参考にできるほどの・・・参考にはできないですね。レベルが違いすぎて。レアルの3人とはタイプも違いますし。自分が参考にしているのはやっぱりメッシとか、レベルは違いますけどネイマールのくねくねしないところのドリブル。スピードを一瞬で上げる上げ方は参考になりますし、ドリブラーとしてのタイプは違いますけど、そっちのが参考になると思います」

ーー逆にユベントスがどう止めるかが見所?

「まあ、そうですね。ユベントスは我慢の時間隊が続くと思いますけど、分かんないですね(笑)。その日の調子もありますから」

ーー最高峰の試合を国内組、海外組に限らず観るというのはハリルホジッチ監督も言うと思いますが、観ることの大事さは?

「いやでも明日は練習きついと言われているので観れないですね(笑)。午前中きついらしいので。だから俺は寝ますけどね」

ーー後から何らかの方法で?

「そうですね。でも俺レアルはあんま観ないので。バルサは観ますけど(笑)」

【長友佑都(インテル・ミラノ/イタリア)】「堅いというのか、隙が無いですよ。本当にユーベに勝つのは難しい」

ーーチャンピオンズリーグ決勝があってイタリアのユベントスが出ますが、イタリアでやっている選手としてどういう気持ちで見るか?

「僕はインテルの選手なので、ユーベを応援していたらたぶん大変なことにはなるんですけど(笑)、でもイタリア代表としては勝ってほしいなという気持ちはあるので。2010年にインテルが勝って以来、セリエAのチームが勝っていないので、そこはセリエAの代表として取ってほしい気持ちはあります」

ーー”カルチョの復権”という意味ではナポリやローマも出て来て、インテルももっと上がっていかないといけない立場ですが、セリエAもだんだん盛り上がっている中で、レアル・マドリーという相手とやるのは象徴的?

「バルサ戦であれだけの戦いをしていたし、あのバルサがなかなか攻撃できてなかったので、ユーベの底力をあらためて感じました。それは僕はダービーで対戦していて、彼らの隙の無さというか、本当に隙を見せないんですよね守備は」

ーー見ていて分かる部分もありますが、実際にやっていて隙の無さというのは?

「いやあ、全く違うと思いますね。僕は自分が出てる試合も、外で見てる試合も経験してますけど、ちょっとそこはピッチに立ってみないとあの感覚は分からないでしょうね。堅いというのか、隙が無いですよ。本当にユーベに勝つのは難しいですよ」

ーーその隙の無さを代表が身に付けていくのも難しいと思いますけど。

「これはたぶん文化の違いというか、そういうのも関係して来るじゃないかと感じていて、彼らはもう勝ち負けに本当にこだわって、内容より勝つことが全てなんだというのを小さい頃から入っているし、言ったら練習のミニゲームでさえもケンカになるぐらい熱くなるんですよね。それは日本のチームでは今までなかったし、感じたこともなくて、勝利のこだわりというのは全然違うなっていうのは正直感じてますよね。その緊張感を日々積み重ねていくと、それは差が出てきますよね。そういう部分がフィジカル的な部分とか、彼らの一番すごいところはメンタルがフィジカルを作っているというぐらいメンタルが勝者のメンタルというか、そういうのがやっぱり持ってるなと。小さい頃からそういうので育ってきたんじゃないですかね」

ーーハリルホジッチ監督もたぶん選手たちに国内組も含めてビデオや情報で提示すると思いますが、そのへんはサッカーの最高峰を日本の選手たちが国内組、海外組に関係なく観ることは重要でしょうか?

「いやあもう、本当のトップなんでね、あのレベルが。代表選手があのレベルでプレーしていかないとW杯で結果を残すことはなかなか難しいと思う。あそこにいないということは・・・決勝じゃなくても、あのレベルにいないということは僕らのレベルがまだまだそのレベルに達していないということは分かり切ってますよね」

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

河治良幸の最近の記事