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無念の途中離脱も“ハリルジャパン”で新たなステップを踏んだ小林悠。アフガニスタン戦で何を感じたのか?

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

アフガニスタン戦で5−0と大勝し、二次予選の突破が決まった日本代表。念願の代表復帰となった小林悠も後半34分から2トップの1人として出場し、精力的なプレーを見せたが、試合中に右足を打撲したため、残念ながらシリア戦を前に途中離脱となってしまった。

25日の練習を休養していた小林に関して、霜田技術委員長は“大事を取っての休養”であり、その時点で離脱するほどの症状ではないことを記者陣に説明したが、その後の判断で離脱が決まり、横浜F・マリノスから齋藤学が追加招集されることになった。おそらくクラブとの相談も踏まえての決断であり、症状がどうあれ決断を支持したいが、筆者としても残念であることに変わりはない。

ただ、点差が開いた状況とはいえ久々の代表復帰を果たして1試合目でピッチに送り出されたということはハリルホジッチ監督の高い評価と期待を表しているもので、ロシアまでの長い道のりを考えれば、新たなステップを踏んだことも確かだ。

その小林にアフガニスタン戦後、プレーのイメージや代表への思いを聞いた。本来なら今回の代表合宿を通して記事にする予定だったが、当時の一問一答でそれに代えたい。

ーー日本は新たに2トップをテストしたが、FWとしてベンチで見ていて感じたことは?

小林悠「真ん中がかなり固められていて、しかもハリルさんが“FWはあんまり下がらないでペナルティエリアの付近でやってほしい”と要求しているので、そこのペナルティ付近で2トップがいる状態が長かったんですけど、なかなかボールが入らない、真ん中でFWに入る場面が少なかった。でもSBが高い位置でボールを運べていたので、そこはかなり空いていたので、そこを攻めてという場面がかなりあったので、自分が出たら中の動きとか、センタリングの入り方の意識はしてましたね」

ーーサイドで起点が出来た時に中盤の選手が2トップにあまり絡まなかったが、フィニッシュが2トップに託されていた?

小林悠「そうですね。本当に2トップだけの関係でゴールを決められればベストですし、今日の1点目の岡ちゃんみたいに個の力で、1人で相手を破壊してしまえばゴールになるので、あれはすごくいいプレーだったなと思います」

ーー実際に2トップでもワイドでも点を取る意識は同じだと思うが、入り方で違ってくる部分?

小林悠「2トップだとやっぱりセンタリングのボールが入りやすいですよね。3トップの右だと、なかなかSBのクロスに入るのは難しいので、逆サイドの時は(ファーサイドから)入っていきますけど。そこはちょっと違いがあります」

ーー2トップだとサイドからのクロスが多くなる中でも、いざ得点が決まるのは1点目のような中央突破だったりするが、その使い分けが大事?

小林悠「やっぱりサイドを使って、相手のディフェンスをちょっと広げて、そこで隙を突いて縦パスを入れて、ああやって真ん中で崩せるのは理想だと思います」

ーー少しの時間とはいえ久しぶりに呼ばれて最初の試合で出られたことは、これまでや今後を考えれば1つのステップ?

小林悠「そうですね。本当に点差がこうやって開いた状態だから出させてもらったというのもあると思いますし、本当に厳しい試合の中でも使ってもらえる様に、練習中からアピールしていきたいと思います」

ーーあのシンガポールでのブラジル戦から、アジアカップで最後まで起用されなかったり、度重なる怪我だったりと、川崎でのプレーがある中でも、その月日を振り返ると?

小林悠「本当につらい時期もありましたし、本当にたくさんの人に支えられて、こうやってまた代表のピッチに戻ってこられたと思っています。本当に感謝の気持ちを少しでも返せる様に、ゴールという結果で恩返しできればいいなと思います」

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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