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日本代表合宿に初招集の7選手。特徴とチェックポイント:六反勇治(ベガルタ仙台)

河治良幸スポーツジャーナリスト

6月にロシアW杯のアジア二次予選をひかえる日本代表は週明けの12日から2日間の国内合宿を行う。今回はJリーグから28人の代表候補が選ばれ、7人が初招集となった。

今回は合宿のための代表候補という位置づけではあるが、ハリルホジッチ監督は短い期間ながらピッチの内外でしっかりと哲学を伝え、同時に日本代表としての資質をチェックするはずだ。

ハリルホジッチ監督のもとでは、大きなケガを乗り越えてFC東京で活躍するボランチの米本拓司やブラジルW杯のメンバーだった川崎フロンターレの大久保嘉人も初招集となるのだが、ここでは初のA代表となる7人の特徴を簡単に解説する。

GK 六反勇治(ベガルタ仙台)

プロ10年目のキャリアの大半を控えキーパーとして過ごしたが、横浜F・マリノスからベガルタ仙台に移籍してきた今季も第3節からゴールマウスを任され、チーム状態がなかなか上がってこない中でも、多くのピンチを救っている。

目を見張るのはシュートを打たれた瞬間の反応と体の伸展力で、フラットな状況からでも一瞬で恵まれた体を伸ばし、鋭い弾道を処理できている。特に腰より高い位置のボールをノーステップからセーブする動きはJリーグでもトップレベルだ。

逆に腰より下のボールに関しては、体全体を倒しきれない状況でのハンドリング精度に問題が見られ、せっかく反応できているのにボールがすり抜ける形での失点もある。そうした点は試合経験で改善される部分でもあるが、代表ではどう見られ、指導されていくのか注目だ。

攻撃面では正確なパントキックが日本代表のリカルドGKコーチの目に留まったかもしれない。高いDFラインの裏をカバーしながらどうビルドアップに加わっていけるかは未知数な部分があるが、研究熱心なことも伝えられるGKの意欲的な姿勢はハリルホジッチの求めるメンタリティに一致する。

日本代表ではフィールドをコンパクトにしたミニゲームが行われ、攻守の切り替わりが早い中での判断力やコーチングも問われてくが、そこで3人の経験者に負けないぐらいの存在感を見せれば今後の招集も見えてくる。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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