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七夕賞、7にまつわるエトセトラ

勝木淳競馬ライター

JRA重賞で2歳ステークスを除けば、数字が入るのは七夕賞と北九州記念の2レース。セントライト記念やセントウルSもあるが、漢数字となればこの2レース。当然七夕賞では数字の7に注目を集める。

■7月7日の七夕賞

7月7日七夕当日に七夕賞が施行されたのは86年以降で91年(7枠シーキャリアー)、02年(イーグルカフェ57キロ)、13年(マイネルラクリマ57キロ)、19年(ミッキースワロー57.5キロ) の4回。すべて関東所属騎手が勝ち、91、02年は小島太氏が騎手、調教師で勝利した。次の7月7日七夕賞は重賞日程に変更がなければ、2年後の2024年になる。

■7歳

7歳馬は6勝(現在の年齢表記に換算した場合)。最後に勝ったのは18年メドウラーク。12頭立て11番人気の大穴だった。その後、小倉記念11着後、最終戦の新潟記念で5着に健闘、規程の13ポイント以上をクリアし、サマー2000シリーズ王者に輝いた。ほかには06年メイショウカイドウが勝利。91年シーキャリアー、95年フジヤマケンザン、98年オフサイドトラップ、00年ロングカイウンは当時8歳、現在表記で7歳。当時7歳だと94年ニフティダンサーがいる。

■7番人気

7番人気は最近10年勝ち馬こそ出ていないが、2着3回3着2回と波乱の多い重賞だけに活躍中。最後に勝ったのは11年イタリアンレッド。この年は東日本大震災の影響で福島から中山に開催を振り替えて行われた。また00年ロングカイウンも7番人気で勝利したが、このときは新潟改修の変則日程のため、七夕賞は東京で施行された。ほかに08年ミヤビランベリがいる。同馬は翌年目黒記念を勝ち、次走七夕賞1番人気勝利。レース史上唯一の連覇を達成した。今年は昨年覇者トーラスジェミニが連覇をかける。

■馬番7番と7枠

馬番7番の優勝は87年ダイナシュート以来出ていない。もっとも出にくい記録。惜しいところでは10年アルコセニョーラがクビ差2着だった。このとき勝ったのがどうにかなったぞドモナラズ。

また7枠は最近不振も20年ブラヴァスが7番人気2着と気を吐いた。ただ基本的には不振。これは13年に開催時期が最終日から4日目に移され、福島芝の状態がいいうちに行われ、外より内にアドバンテージがあることが大きい。7枠での勝利は09年ミヤビランベリ連覇の年が最後。7番人気、7枠で七夕賞を連覇。ミヤビランベリはじつに7という数字に縁がある馬だった。

■ハンデ57キロ、57.5キロ

ハンデ57キロは負担重量としてはトップハンデに近い数字で、実績馬が背負う斤量。ハンデ戦は基本的に斤量を背負った組が有利なので、七夕賞だから57キロが強いというわけではないが、これまで11勝と好成績。上記ミヤビランベリの2勝目のほかにも近年では20年クレッシェンドラヴ、21年トーラスジェミニと連勝中。今年57キロは3頭登録。なお、57.5キロは19年ミッキースワローが勝利。つまり7がつく斤量は3連勝中。今年57.5キロを背負うのはトーラスジェミニだ。

■単勝700円台

もうちょっと7を追いかける。

単勝オッズ7倍台は全部で24頭。人気の割れがちなレースで36回中24頭というのは少ないような気もするが、このうち単勝配当が700円台、つまり勝ったのは93年伝説の大逃げツインターボの780円、小倉三冠達成後の06年メイショウカイドウ730円、20年クレッシェンドラヴ740円の3回。

なにか役に立つかと言われると、そうでもないが、せっかく数字がつく重賞なので、こうした視点であれこれと探すのも興味深く、これも七夕賞のお楽しみではないか。

競馬ライター

かつては築地仲卸勤務の市場人。その後、競馬系出版社勤務を経てフリーに。仲卸勤務時代、優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)、AI競馬SPAIA、競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にて記事を執筆。近著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ(星海社新書)

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