■宝塚記念はステイゴールド産駒が5勝

 今年の宝塚記念登録20頭のうち、ステイゴールド系は6頭と最大勢力。その最大勢力の半数が父ステイゴールド最終世代の7歳。アフリカンゴールド、ステイフーリッシュ、マイネルファンロンの生産者はそれぞれダーレー・ジャパンF、社台F、ビッグレッドFと大手牧場がズラリと並ぶ。これがステイゴールドの価値を示す。そしてこの3頭は7歳シーズン上半期で海外含め重賞3勝2着1回。いやはや、みんな元気で頼もしい。

 次いで孫世代が3頭。三冠馬オルフェーヴル産駒アイアンバローズ、オーソリティ、メロディーレーン。父オルフェーヴルは12年宝塚記念を勝利している。ステイゴールド産駒は宝塚記念【5-0-0-14】。この極端さが一族の魅力であったりするが、2位サンデーサイレンス3勝で単独トップ。まだまだ日本競馬の最大勢力ディープインパクト産駒はわずか1勝。この構図こそ、宝塚記念特有の形。ステイゴールド産駒5勝はドリームジャーニー、オルフェーヴル、ナカヤマフェスタに連覇を遂げたゴールドシップ。今年出走馬がいるステイゴールド、オルフェーヴルを中心に一族と宝塚記念について振り返る。

 ■4年連続出走すべて掲示板に入ったステイゴールド

 ステイゴールドは宝塚記念に現在の4歳時から7歳まで4年連続出走、2、3、4、4着。勝てはしなかったが、同一GⅠ4年連続出走かつすべて掲示板以内というのは滅多にできる記録ではない。

 98年はサイレンススズカが前半1000m通過58.6で逃げ、残り400m11.2で後ろを振り切った。ステイゴールドは中団に控え、3コーナー付近から上昇、最速ラップ区間で好位のメジロドーベルに並び、競り落とし、2番手に。

 99年はグラスワンダーとスペシャルウィークの一騎打ち。残り800mからスペシャルウィークが先に動き、グラスワンダーがマーク、ラスト800m11.5-11.7-11.0-12.7の持久戦。ステイゴールドは4番手から外を進出するスペシャルウィークに離され、3、4コーナーでステッキが入る苦しい形。さすがに11.0で2頭に離されたが、ほかを制して3着に入った。

 その産駒にして11年三冠馬になったオルフェーヴルは翌年に宝塚記念参戦。この年は阪神大賞典で伝説の逸走、調教再審査明けの天皇賞(春)11着とリズムを崩していたものの、宝塚記念で巻き返した。日経賞を勝ったネコパンチが逃げ、前半1000m通過58.4のタフな流れを演出。さらに3コーナー過ぎからアーネストリー、ビートブラック、ルーラーシップらがネコパンチを早々に捕まえる積極策。我先にといった激しい競馬になり、オルフェーヴルの末脚がさく裂した。

 09年ドリームジャーニーもインティライミが3、4コーナーでマクって早めにレースを動かす競馬を差し切った。さらに10年ナカヤマフェスタも残り800mからペースアップする流れを自ら3、4コーナーで積極的に動いて勝利。ゴールドシップの連覇も13年はシルポートが飛ばし、前半1000m58.5、後半800m12.4-12.7-12.7-12.6、14年はスローペースから後半800m11.8-11.7-11.8-12.1と3、4コーナーで加速する流れだった。

 ■阪神芝2200mの特徴

 阪神芝2200mは内回り、直線はBコース359.1mと短く、さらにコーナーは緩やかな外回りと比べると、出入り口もタイト。早めにラップが上昇するということは、タイトなコーナーを加速する力が必要になる。だからコーナーはできればゆっくり回りたいというタイプが多いディープインパクト産駒は辛い。一方、父がそうであったようにステイゴールド一族はコーナーでの加速力が武器。過去、産駒が宝塚記念を勝ったときは比較的前半が流れるか、ゆっくりしたペースでも早めにラップ上昇した。阪神芝2200mはこういった流れになりやすく、ステイゴールド一族がハマる。

 ステイゴールド一族の宝塚記念の成績で象徴的なのが前走着順。前走5着以下が3勝、連勝したのはナカヤマフェスタ1頭。それもオープンのメトロポリタンSで重賞に限ると連勝はなく、オルフェーヴルもゴールドシップも直前の重賞で負けていた。ステイゴールド一族は極端だと最初に述べたが、ステイゴールド一族は好走範囲が狭く、宝塚記念はその狭い好走範囲にすっぽりと入る条件でもある。だからこそ、今年の宝塚記念に6頭も登録してきた。

 さらに今年は前半1000m57~58秒で飛ばせるパンサラッサや現役屈指のスタミナを持つタイトルホルダーといった先行型がおり、前半が速いか、後半早めにペースアップする公算は極めて高い。最大勢力ステイゴールド一族にとって、一発かます条件はそろいそうだ。