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南岸低気圧 10日(水)は東京で初雪の可能性

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
週間天気予報(1月7日午後5時現在)、ウェザーマップ作画

 10日(水)は低気圧の影響で、全国的に天気が崩れる見通しです。東京は10日昼頃から雨が降り出す可能性があります。

 低気圧が関東地方に最も近づくのは10日夜とみられ、気温が下がることにより、みぞれや雪になることが考えられます。東京の初雪の平年日は1月3日で、この冬はまだ観測されていません。

降水の予想に違い

 こちらは10日昼過ぎの天気を予想した図です。現在、主要な数値予報モデルとして、全球モデル(GSM)とメソモデル(MSM)の2つがあります。両者を比較することで、予想にどのくらいの不確実性があるのか知ることができます。

【1月10日(水)昼過ぎの天気を予想した図】上図はGSM(全球モデル)、下図はMSM(メソモデル)、ウェザーマップ作画、筆者加工
【1月10日(水)昼過ぎの天気を予想した図】上図はGSM(全球モデル)、下図はMSM(メソモデル)、ウェザーマップ作画、筆者加工

 全球モデル(GSM)、メソモデル(MSM)ともに、10日は天気が崩れる可能性を示しています。

 しかし、上図の全球モデル(GSM)は関東地方に雨雲があまりかからない予想である一方で、下図のメソモデル(MSM)は雨雲の範囲が広く、雨雲の予想に違いがみられます。

東京で雪の可能性は?

 東京で雨や雪になる可能性はどのくらいあるのでしょうか。現時点で数値予報モデルの結果はくもりが優勢ですが、10日夜は雪の可能性がわずかながらあるようです。

【全球アンサンブル予報システム(GEPS)】東京付近の晴れ、くもり、雨、雪などの予想結果の割合を示した図、ウェザーマップ作画、筆者加工
【全球アンサンブル予報システム(GEPS)】東京付近の晴れ、くもり、雨、雪などの予想結果の割合を示した図、ウェザーマップ作画、筆者加工

 5年前の1月31日、東京では夕方から降り出した雨が気温の低下とともに、みぞれになったことがありました。雨が降り出すと予想を超えて気温が下がることがあり、東京の雪予報の難しさとなっています。

2019年1月31日の東京の気温と降水量の変化を示した図(筆者作画)と地上天気図(ウェザーマップ作画、筆者加工)
2019年1月31日の東京の気温と降水量の変化を示した図(筆者作画)と地上天気図(ウェザーマップ作画、筆者加工)

【参考資料】

気象庁:週間天気予報解説資料、2024年1月7日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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