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13日夜~14日午前、東京都心で積雪のおそれ 警報級と注意報級の大雪の違いとは

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
あす13日(日)夜、東京都心で再び、雪が降るおそれがでてきた(写真:イメージマート)

 東京都心に再び、大雪のおそれ。13日夜~14日午前にかけて、関東の広い範囲で雪が降る見通し。東京23区でも予想降雪量1センチ~5センチ。警報級と注意報級の大雪の差はわずか5センチ、予想はかなり難しい。 

東京都心で注意報級の大雪おそれ

 気象庁は12日午前、東京にこの冬三度目となる大雪情報を発表しました。あす(13日)からあさって(14日)にかけて、低気圧が関東の南を通過するため、東京都心でも再び、雪やみぞれが降り、雪が積もる可能性があります。

 予想される降雪量は東京23区で1センチから5センチです。気象庁は注意報級の大雪となるおそれがあるとして、注意を呼びかけています。

13日(日)夜の天気分布予報(12日11時発表、気象庁)ウェザーマップ作画
13日(日)夜の天気分布予報(12日11時発表、気象庁)ウェザーマップ作画

 この冬は雪の降る日が多い。1月6日は不意を突かれた大雪に慌て、先日(10日)は警報級といいながら、雪混じりの雨で終わりました。そして、あす(13日)夜からは注意報級の大雪となるおそれです。

 その都度、大雪という言葉が飛び交っていますが、微妙に表現が違い、肝心なところがわからない。先日も帰宅、出社できなくなる不安を多く聞きました。

注意報と警報の差はわずか5センチ

 東京23区(西部・東部)の大雪注意報と大雪警報、違いは降雪量の多さです。12時間に降る雪の量が5センチの場合は注意報、10センチ場合が警報で、注意報と警報の差はわずか5センチです。今の天気予報ではこの差を的確に予想するのはかなり厳しい。そのため、可能性が低くても、予想が悪い方に外れたときを想定してしまうのです。

 では、どのくらいの頻度で大雪注意報や大雪警報が発表されているのか、最近の状況を調べてみました。大雪注意報はひと冬に1回から2回程度発表される一方で、大雪警報は4年に一度、発表頻度は格段に違います。

東京23区(西部・東部)の大雪注意報と大雪警報、発表基準と発表頻度(筆者作成)
東京23区(西部・東部)の大雪注意報と大雪警報、発表基準と発表頻度(筆者作成)

13日夜、強まる寒気で、都心も雪の可能性大

 あす(13日)の雪や雨は典型的な南岸低気圧によるものです。予想のポイントは低気圧が最も近づいて降水が強まる頃、どのくらい冷えるのか、見定めることです。

 最新の予想では13日夜~14日朝が寒気のピークとみられ、上空約500メートル付近で0度以下となる見通しです。先日(10日)と比べて1度以上低く、雪が融けずに地上まで降る条件を満たしています。

【14日(月)午前0時】上空約500メートル(950hPa)の気温予想図(ウェザーマップ作画)
【14日(月)午前0時】上空約500メートル(950hPa)の気温予想図(ウェザーマップ作画)

 ただ、雪や雨の降る時間は先日(10日)比べて短いため、雪が長引くことは考えにくいです。

【参考資料】

気象庁:大雪に関する東京都気象情報 第1号、2022年2月12日11時20分発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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