低気圧による強風で、モンゴル南部(ゴビ砂漠)で大規模な砂嵐発生か。舞い上がった砂が29日~30日にかけて、日本列島に飛来する可能性がある。17日よりも広範囲で、濃い黄砂が観測されそうだ。

中国気象局は砂嵐警報を発令

 タイトル画像は27日(土)正午の気象観測ひまわり8号の雲画像です。これは複数の雲画像を組み合わせて、空気中を漂う黄砂や火山灰などを強調した合成画像で、黄や赤に見えるのはモンゴル南部(ゴビ砂漠)の砂嵐を捉えたものです。

 中国気象局は27日、砂嵐の警報を出し、29日にかけて激しい砂嵐や黄砂に警戒するよう呼びかけています。

日本も29日は黄砂飛来か

 そして、朝鮮半島付近の雲は低気圧の雲です。この低気圧が日本列島を通過した後に、黄砂が飛来する可能性があります。これを予想した図がこちらです。29日(月)から30日(火)にかけて、日本列島に黄砂がやってくることがわかります。

3月29日(月)午後の黄砂予想図(ウェザーマップ作画)
3月29日(月)午後の黄砂予想図(ウェザーマップ作画)

 先日もモンゴル南部で大規模な砂嵐が発生し、16日~17日にかけて西日本や東日本で黄砂が観測されました。29日に予想される黄砂はこのときよりも濃くなる可能性があるようです。

黄砂は北米まで

 黄砂の飛来は年による差が大きいですが、大陸の砂漠化が進んでいることから、長期的にみると影響が広がっていると言われています。

 黄砂の大きさはスギ花粉よりも小さく、強い風によって舞い上がると、数日から10日以上も大気中を漂います。さらに、上空の強い風に乗って、北米大陸まで届くこともあります。

 黄砂の発生場所は北アフリカ、アラビア半島、中央アジア、中国で、大気中に舞い上がる砂ぼこりは一年間に10億トンから30億トンと推定されています。ものすごい量であることは何となく想像できますが、これに匹敵するものは?たとえば、世界で一年間に発生する廃棄物が20億トンだそうです。これでも実感が湧きません。

記録的な暖かさで乾燥進む

 今月(3月)は全国的に気温が高く、記録的な暖かさとなっています。東京では今月、20度を超えた日は5日を数え、平均(1991年~2020年)の2倍となっています。20度と言えば、大型連休の頃の陽気です。季節を先取りしている感覚は数字にも表れています。

2021年3月前半、アジアの平均気温の平年差を示した図。暖色は気温が平年より高いことを示す(気象庁ホームページより)
2021年3月前半、アジアの平均気温の平年差を示した図。暖色は気温が平年より高いことを示す(気象庁ホームページより)

 この暖かさは日本に限らず、アジア全体で気温が高いのが特徴です。これが大陸の乾燥を進め、砂嵐の発生、そして日本への黄砂飛来とつながっていると思います。

黄砂の影響は多岐に

 実際、私たちが思っている以上に、世界では砂嵐や黄砂が発生している可能性があるでしょう。細かい砂が大気中を漂うことで、さまざまな影響が考えられています。視界が悪くなり、航空機の運航に支障が出ることや砂ぼこりを吸い込むことによる健康への影響のほか、最近では太陽光発電のパネルに砂が積もることへの影響を心配する声もあります。昔のように、春の風物詩と言ってはいられない時代になったのかもしれません。

【参考資料】

気象庁ホームページ:黄砂情報

気象庁ホームページ:世界の天候、地域別の天候図(速報値)

中国気象局(CMA):中央气象台3月27日06时继续发布沙尘暴黄色预警

世界気象機関(WMO):Sand and Dust Storms