台風10号 暴風と猛暑
台風10号は6日午後から7日にかけて、九州にかなり接近する見通し。暴風域は直径500キロと広く、広範囲で風が強まる。さらに、近畿から東北にかけての広い範囲で猛暑が続く。
6日午後以降、九州西岸を北上
台風10号は5日(土)正午現在、鹿児島から南に約850キロ離れた海上を、一時間に15キロの速さで北上しています。台風は今後も、発達した雨雲と非常に強い風を伴ったまま北上し、6日(日)午後から7日(月)にかけて、九州西岸を進む可能性が高いです。
台風は発生した当初と比べて、予報円の大きさは小さくなりましたが、台風は必ずしも予報円の中心を通るとは限りません。地形の影響を受けて、複雑な動きをすることもあります。
広がる暴風域
台風10号の特徴として、暴風域の広さがあります。風速25メートル以上の暴風域の大きさ(5日正午現在)は直径500キロあり、これは鹿児島から松江までの距離に相当します。
暴風域の大きさは平均して直径370キロくらいですから、台風10号の暴風域は平均的な台風の(面積にして)2倍くらい広いことになります。
風速15メートルで歩くことが困難に
通常、風速といえば、10分間の平均風速をいいます。たとえば、春一番の基準となる強風は平均風速8メートルです。このくらいの風でも傘を差して歩きにくくなるわけですが、さらに平均風速15メートルから20メートルになると、歩くことはできず、車の運転も難しくなります。台風の暴風域はこれを上回る強い風が吹いている範囲です。
ただ、風は地形や建物の影響を強く受けるため、場所によっての差が大きい。周囲に風を遮るものがない、開けた場所や風の通り道にあたる橋の上、さらに高い建物の間などはとりわけ風が突風となって吹きやすい。生活しているなかで、風が強いと感じる場所には決して近づかないようにしてください。
夏の高気圧が強く、広範囲で猛暑
台風は暴風、大雨、高潮などさまざまな現象を引き起こしますが、暑さもそうです。台風が北に向かって進むということは夏の高気圧が強い証拠で、9月になっても、暑さが引く気配はありません。香川県高松市では車内に残された姉妹が亡くなるという痛ましい事故もありました。
今後、7日(月)にかけて、近畿から東北にかけての広い範囲で、最高気温が35度前後の厳しい暑さが予想されています。
【参考資料】
気象庁ホームページ:令和2年 台風第10号に関する情報