根室の気圧が高いと東京は涼しくなる
18日(土)午前9時の地上天気図をみると、北海道の東に優勢な高気圧(1032hPa)がある。最近では2003年5月24日に同じような天気図があった。根室の気圧が高くなると、東京の気温は低くなる傾向に。
こんな天気図、あったかな?
日々、見慣れているはずの天気図でも、時には考え込むことがあります。この時期に、このような天気図はあるのだろうか?
注目したのは北海道の東にある優勢な高気圧です。日本の東海上にあった高気圧とオホーツク海から南下してきた高気圧がひとつにまとまり、日本付近は「東高西低」の気圧配置です。
気圧配置にはいくつかの形があり、最も有名なのは「西高東低」=冬型です。一方「東高西低」は冬型をひっくり返した形なので、夏型とも呼ばれます。
どうやって調べよう?
あまり見かけない天気図と思っても、どのくらい見かけないのか、珍しいのか、調べる方法が思いつかない。もしかしたら私がそう思っているだけかもしれない。でも・・・
そこで、高気圧の中心に近い北海道東部の根室の気圧を手がかりにしてみました。18日午前9時、根室の海面気圧は1024.7hPaです。過去、気圧が高かった日を調べれば、目当ての天気図が見つかるかもしれない。2000年以降、5月に限って調べると、該当しそうな天気図が10例見つかりました。想像していたほど珍しい天気図ではないようです。
根室の気圧が高いと東京は涼しく
18日の関東地方は東よりの風が吹き、雲が多めです。前日と比べると、少し涼しいように感じます。この天気図に共通する天気はあるのでしょうか。根室の気圧と東京の気温を比べてみました。
すると、相関係数は-0.4、少なからず関係があるようです。北海道の東で高気圧が強まると、関東地方には海から風が吹き、気温の上がり方が鈍くなることがあります。関東地方からみると高気圧が北にあるので「北高型」ともいい、これから梅雨時にかけて気になる天気図です。
天気図はどれも同じように見えるかもしれませんが、ひとつひとつに個性があり、解き明かす楽しみがあります。