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<統一地方選>投票率と天気 お花見が影響も

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
統一地方選挙 4月7日投開票日は各地でさくらが見頃となる(ウェザーマップ予想)

 統一地方選挙の前半戦はお花見シーズンと重なる。過去の投票率とさくら満開日を比べると影響を感じさせる例も。

大阪知事選 雨に泣かされ

 近づく統一地方選挙、大阪では知事選と市長選のダブル選が決まりました。

 過去、大阪府知事選挙が行われた日の投票率と天気を調べてみました。天気が詳細にわかる1963年以降、前回の2015年までの15回の選挙です。最近の選挙は寒い時期(紫線)に行われていて、4月の選挙(緑線)は1999年以来、20年ぶりのことです。これに天気を重ねると、雨(雪)の日が目立ちます。とくに、統一地方選挙に限ると、雨の日が半数以上を占めています。

大阪府知事選挙の投票率と天気(著者作成)
大阪府知事選挙の投票率と天気(著者作成)

 一般に、雨の日は外出がためらわれ、晴れるとレジャーに足が向かいがち。投票率はくもりの日が高くなりやすいと言われています。しかし、近年は投票率の低下が著しく、また期日前投票が行われるようになったことから、天気との関係が薄れています。

投票率に天気は関係ない?

 気になるのはお花見シーズンと重なること。

 こちらは4月7日(日)に知事選挙が予定されている11道府県のさくら満開日(予想)をみたものです。投開票日に近い4月上旬に満開を迎えるのは福井県、大阪府、奈良県、鳥取県、島根県、徳島県、大分県です。さくらの名所は多くの花見客で賑わうでしょう。

2019年統一地方選挙 4月7日(日)知事選とさくらの満開日予想(著者作成)
2019年統一地方選挙 4月7日(日)知事選とさくらの満開日予想(著者作成)

 お花見が投票率に影響するのか、福井県を例に調べてみました。過去、県知事選挙は晴れの日が多く、全体の約6割を占めます。最近では5回連続で晴れていて、大阪とは対照的です。

福井県知事選挙の投票率と天気(著者作成)
福井県知事選挙の投票率と天気(著者作成)

 さらに、福井市でさくらが満開になるのは平年で4月9日です。2007年と2011年はさくらの見頃と投開票日が重なりました。近年、投票率が伸び悩んでいるのは好天のためか、それともお花見が影響しているのでしょうか。

 お花見の影響を感じさせるのは1991年です。投開票日(4月7日)がくもりだったにもかかわらず、投票率は過去2番目に低い51.77%でした。一方で、さくらは4月6日に開花し、10日に満開になりました。

お花見の前に投票しよう

 今後も暖かい日が見込まれるため、さくら前線の北上は順調とみられています。統一地方選挙の前半戦はお花見シーズンと重なり、選挙活動や投票率に少なからず影響がありそう。争点を明確にし、投票行動を促すような対策が必要でしょう。

【参考資料】

大阪府選挙管理委員会事務局ホームページ:過去の選挙の投開票結果

福井県選挙管理委員会事務局ホームページ:選挙結果

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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