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豪雨と猛暑と 東京の梅雨明けは? 

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
14日、愛知県に発生した巨大な積乱雲(7月14日午前10時20分,ひまわり8号)

7月の東京の真夏日は12日を数え、記録的に多い。実質的に梅雨は明けている。一方、14日は愛知県で豪雨災害が発生した。猛暑と豪雨は隣り合わせの関係だ。

梅雨は明けている

強い日差し、連日のうだるような暑さ、これを夏と呼ばずして、なにを夏と呼ぶのでしょう。今月の東京の真夏日は12日を数え、7月前半としては記録的に多くなっています。

こちらの表は7月前半(1日-15日)の真夏日を調べたものです。

【東京】7月前半の真夏日 多い方順位(1875-2016)
【東京】7月前半の真夏日 多い方順位(1875-2016)

今年のように7月初めから暑かった年はいずれの年も梅雨明けが平年よりも10日以上早い。梅雨明けに明確な定義はないけれど、梅雨明けの発表を待たずして、実際の天気はもう夏です。

一方で、14日は愛知県犬山市や小牧市で1時間に120ミリを超える猛烈な雨が降りました。東京から約300キロ、新幹線に乗れば1時間半の距離にある場所で浸水被害が起きたのです。

今の日本列島は猛暑と豪雨が隣り合わせに存在しています。そのことが梅雨明けの発表をためらわせている理由のひとつかもしれません。

猛暑と豪雨の組み合わせは過去にも

最近では2011年です。今年と同じように7月前半から非常に暑く、関東甲信地方は早々と7月9日に梅雨が明けました。このまま暑さが続くと思った途端に、台風6号の四国上陸とオホーツク海高気圧の影響で不順な天候に。7月末は新潟県で甚大な豪雨災害が発生しました。

今年(青点線)と2011年(オレンジ実線)の最高気温を比べたグラフ
今年(青点線)と2011年(オレンジ実線)の最高気温を比べたグラフ

また、関東甲信地方で最も早く7月1日に梅雨が明けた2001年は、8月になってオホーツク海高気圧が勢力を強め、著しい日照不足になりました。

いつもいつもこのような夏ばかりではないけれど、暑さが早くやってきた年は途中で息切れすることがあります。

暑さに注意して、雨に注意して、最近の夏は気の休まる時もない。梅雨明けしていても、いなくても、その先を見ることが大切と思っています。

【参考資料】

名古屋地方気象台:愛知県記録的短時間大雨情報(第1号-第3号),2017年7月14日

【2017年梅雨明けの発表があった地方(7月14日現在)】

沖縄 6月22日(平年より1日早い)

奄美 6月29日(平年と同じ)

九州南部 7月13日(平年よりも1日早い)

【補足】

真夏日とは日最高気温が30度以上の日。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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