秋田・岩手 「経験ない大雨」は予想できたのか?

2013年8月9日東北北部 気象レーダ(気象庁)

不意打ちの豪雨。気象関係者はそう思ったことでしょう。

今日(9日)、秋田県、青森県、岩手県、北海道南部で、局地的に1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降りました。気象庁は秋田県と岩手県でこれまでに経験したことのないような大雨となっているとして、最大限の警戒を呼びかけました。ただ、気象庁が秋田県に発表したのが午前8時24分、そのときにはすでに豪雨となっていて、避難は難しい状況でした。

今回の記録的な大雨は日本海から北日本にかけて広がる、非常に湿った空気のなかで起きました。気象衛星で雲の状況をみると、東北の北部で、ひときわ輝く白い雲がみるみるうちに発達、拡大していく様子がはっきりと分かります。専門的にいうと、雲の先端が細くなっている「テーパーリングクラウド」が発生したようです。

発生のメカニズムは先月の山口・島根豪雨に似ていて、非常に湿った空気が激しい上昇流によって、活発な雲を作り出したといえるでしょう。ただ、今回の記録的な大雨は昨日の時点で、予想はしていませんでした。低気圧が北海道付近に近づく影響で、東北北部から北海道では雨になり、局地的には強く降る可能性はあったものの、これほどの豪雨は予想外でした。個人的な感想ですが、昨日、岩手の方に「通り雨程度でしょう」といったことが悔やまれます。

山口・島根豪雨のときも言いましたが、大雨が起こりやすい気象条件であることは前日から分かっていても、いつ、どこで、どのくらいの大雨になるのかは、このような寿命の短い雨雲の場合では非常に難しい。天気予報の技術は進んでいるが、追いついていない状況です。今月30日から特別警報の運用が始まりますが、すでに起こっている豪雨に対して特別警報を発表しても、時すでに遅しです。1分でも長く、避難する時間、命を守る時間がつくれるよう、知見を広げたいと思います。