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『iOS16』で最も注目すべきは…『画像切り抜き』と『音声入力』だ。

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:Apple

KNNポール神田です。

Apple『iOS16』を2022年9月13日(火)にリリースした。

https://www.apple.com/jp/ios/ios-16/

iOS16で利用できる新機能

https://www.apple.com/jp/ios/ios-16/features/

■待望のロック画面のカスタマイズは?

注目されるのが、ロック画面のカスタマイズだが…Androidユーザーからすると、今頃なの?という感想だろう。

表示できる『ウィジット』の数もまだまだ少ない…。

出典: iOS16
出典: iOS16

基本的にAppleのネイティブなアプリがウィジットで選べる。

しかし、facebookはあれど、競合するGoogleのウィジットなどは現在は選択できない。

筆者のように、アップル製品を利用しているが、メールやカレンダーをGoogleで利用しているとロック画面で表示できる要素が少ない。ニュースで選べるのは現在は『Yahoo!ニュース』『毎日新聞』のみだ。

■ロック画面の上部の3パートだけの表示

出典:iOS16
出典:iOS16

せっかくのロック画面のカスタマイズだが、上部の3パートしか『ウィジット』を表示できないのはなんだかとても物足りない。

…そもそも『ロック画面』だから、他人に知られざる情報を掲載すべきではないという思想があるが…。しかし、『顔認証』している瞬時の時間にスマートフォンを見る最初の『情報によるスタートメニュー画面』としての意味あいが大きい。

ロック画面に重要な情報があれば、いつもの『アプリ』に行く前のアクションが変わるはずだ。

なので、Android同様、ウィジットの画面は上部の3パートだけでなく、ユーザーに自由に委ねさせてほしいと感じた。

■多機能なiOS16 で試すべき機能…『背景からの対象物の抜き出し』

iOS16で利用できる新機能

https://www.apple.com/jp/ios/ios-16/features/

これだけ多機能ではあるが、『地味な印象』だ。

一番、驚きがあるのが、

『画像を調べる』『背景からの対象物の抜き出し』

だ。

※A12 Bionic以降のiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR以降で対応。

写真の中から、切り抜きたい画像を長押しすると、切り抜いてそのままペーストすることができる。また切り抜きだけを保存することができる。

これは、かなり便利な機能だ。

いや、今回のiOS16の最大なウリといっても良いだろう…。

iPhoneで『写真』を選ぶ

赤い車の部分を『指』で長押しすると選択される。

出典:筆者のシェアリングカー メルセデス・ベンツC180
出典:筆者のシェアリングカー メルセデス・ベンツC180

『選択』された切り抜きをぐるぐると動かすと、『コピー』したり『共有』することができる

出典:筆者のシェアリングカー メルセデス・ベンツC180
出典:筆者のシェアリングカー メルセデス・ベンツC180

コピーした部分を貼り付けて『写真』に『保存』する。

出典:筆者のシェアリングカー メルセデス・ベンツC180
出典:筆者のシェアリングカー メルセデス・ベンツC180

iPhoneの『Keynote』の他の画像の上に、『コピー』してきた画像を貼り付けた

出典:筆者のシェアリングカー メルセデス・ベンツC180
出典:筆者のシェアリングカー メルセデス・ベンツC180

Photoshopの『切り抜き職人』のような人からはまったく評価されないだろうが、一瞬にして切り抜いてくれるのはとても便利な機能だ。

Google Pixelの余分なモノを消す機能も魅力だが、このように必要なところを抽出できる機能がOSでサポートされたのはうれしい限りだ。

何よりもサクッと切り抜けるは利用は無限大に広がる。

■ダマされたと思って試してほしい新しい新しい『音声入力』機能

筆者にとって、iOS16での最大のウリはこの新しい『音声入力』だ。いままでも、音声入力を活用して声で執筆していることが多いが、どうしても、音声とタイプの混在がシームレスではなかった。

だから、まずは音声で一旦、しゃべり終わってからまとめて編集というスタイルだった。

常に『思考』は、音声で話しながらのスピードで思考していた。

しかし、この新しい『音声入力』は音声入力中にも、フリック入力などで、音声の文字を確認してから、修正することができるので、『文字』を打つ時の『思考』で『音声入力』ができる。

当然、推敲も簡単だ。何よりも、音声で、句読点『、』『。』『改行』というタグをしゃべるのはとても無意味な労力だということがわかった笑。

しゃべりながら、タイプで句読点。音声入力ではじめて、考えながらしゃべることができたのだ。

さらにだ。iPhoneの『メモ』に音声入力をしたものを『コピー』するだけで、PCの『Mac

』へ、ペーストすると『Mac』にも貼り付けることができる。

この連携だけはAndroidでは不可能だ。

すると、文字打ちのアイデアはスマートフォンでいつでもどこでも、それを瞬時にPCに送り、編集するという執筆スタイルが可能となった。

出典:筆者のiPhone13Pro Max
出典:筆者のiPhone13Pro Max

■iOS16の大本命は来月10月登場のmacOS『Ventura』との連携だ

出典:Apple
出典:Apple

2022年10月に登場となるのがmacOS Venturaだ。

https://www.apple.com/jp/macos/macos-ventura-preview/

iPhoneのカメラをウェブカメラとして利用できるようになる。

出典:Apple
出典:Apple

macOS Ventura で利用できる新機能

https://www.apple.com/jp/macos/macos-ventura-preview/features/

iPhone14シリーズの登場前に、最新OSとしてリリースのiOS15だが、macOSとの連携がさらにシームレスに自然に結びついてきたのは見事だ。

MicrosoftのひとつのOSですべてを担う発想ではなく、WatchOS9, iOS16,iPadOS16,macOS Ventura(macOS13)と個々のデバイスの専用OSの利便性を高めながらも、結果として、いつしかシームレスになっている環境を作り上げている。

地味で気づかないようなアップデートとおびただしほどのセキュリティの向上で、ユーザーのデジタル環境の改善に努めていると思う。

ただし、メール、カレンダー、チャット、ビデオ会議、ブラウザのSafari まで、すべてをAppleプロダクトだけでしか有効でない機能は、Googleよりも基本的な機能で勝ってからにしてほしいと願う。

Appleプロダクツだけで、何も問題無い人にとっては、それはそれで最高の環境になることは間違いないのだが…。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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