KNNポール神田です。
デジタル田園都市構想…が発表された。なんといっても予算が5兆7,000億円だという。230万人のデジタル人材で単純に割り算すると、1人あたり247万円の予算となる。
デジタル田園都市国家構想実現会議
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/index.html
□来年度(2022年)から5年間で、デジタル関連の技術を身につけた人材を230万人確保するほか、デジタル技術をいかした地域作りに取り組む中核的な人材を国内100の地域に配置するとしています。
□岸田総理大臣は「今年度の補正予算と来年度、令和4年度の当初予算案を合わせ、総額5兆7000億円を投入し、地域の課題をデジタルで解決する。年明け以降、構想の実現に取り組む」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211228/k10013407171000.html
□高齢者らデジタルが苦手な人にスマートフォンの使い方などを教える人材を(20)22年度中に1万人以上配置
□内閣官房の担当者は会議後、デジタル人材を「エンジニアやデータサイエンティストなどの高水準のIT(情報技術)専門家」と説明
□(20)24年度末までに「デジタルの実装に取り組む」自治体を1000団体にする目標を決めた。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA283FE0Y1A221C2000000/
■『デジタル革命』も『デジタル田園都市構想』も政府の事業ではないはず…
そもそも『革命』とは、時の政府に対して反旗をひるがえして発生するもの。
現在では、『デジタル改革』として、菅内閣の政策集としてそのまま継続されている。
そして、岸田内閣になってからの大型パッケージがこの『デジタル田園都市構想』だ。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai2/siryou1-2.pdf
■『田園都市構想(GardenCity)』とは…
『田園都市構想(GardenCity)』とは…
イギリスの都市計画家の『エベネザー・ハワード』が19世紀(1898年)の産業革命の頃に提唱した都市構想。都市の社会・経済的利点と、農村の優れた生活環境を結合した第三の生活圏を目指す。遠距離通勤や高い家賃の場所に集まるのではなく、自然豊かな郊外の低い家賃と高度な都市機能と高賃金という2つの特色を郊外に持たせ、従来の都市機能と3万人規模の自然豊かな田園の長所を備え、自然と社会的な機能の融合を説いた。
1903年、都市の自立経営のスタイルはを目指し、ハワードらは、イギリスの『レッチワース(Letchworth Garden City)』などを『第一田園都市会社 (First Garden City Ltd.) 』によって開発した。自立した職住近接型の都市開発を成功させた。その後、公社、財団法人化。後に政府によってレッチワースのパッケージは各地で展開される。都市の『ベッドタウン』ではなく職場も近接させたのことが特徴である。
日本でも、1910年に『阪急電鉄』、創始者の『小林一三』によって箕面が開発される『宝塚歌劇』などのエンタメも郊外に着手。1918年には、『渋沢栄一』らの『田園都市株式会社』が『洗足田園都市』を開発し、交通手段として『東急』が設立された。『田園都市線』も開発される。
郊外に都市機能と共に、インフラも付加されたことも重要な要素である。
道路・水道・電気・ガス・遊園地・スポーツ・医療施設等も開発される。
一番、重要なのは、『田園都市構想』は、政府主導ではなかったことだ。
■5.7兆円の予算規模は、防衛費5.3兆円以上 公共事業6兆円と同等
『デジタル田園都市構想』の予算額5.7兆円は、新型コロナ対策予備費の5兆円、防衛費の5.3兆円以上、公共事業6兆円と比較すると相当な岸田政権の肝入り事業であることがわかる。
実質、それらの鍵となるのが、デジタル田園都市国家構想担当大臣の若宮健嗣氏だ。
令和3年2021年12月28日、岸田総理は、総理大臣官邸で『第2回デジタル田園都市国家構想実現会議』を開催した。
■読みづらい資料でも平気なところからDX(デジタル改革)すべきだ!デジタル田園都市国家構想担当大臣 若宮 健嗣 資料
大臣が資料を作っているわけではないが、大臣がこの資料を平気で配布する時点で疑う。何のための強調の赤字なのか? 斜体にする意味は?
大臣が否定しない限り、読みづらい資料は永遠と続く…。デジタル以前の問題だ。出典:若宮大臣提出資料 デジタル田園都市国家構想実現会議(第2回)

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai2/siryou1-1.pdf

40文字以上が横に続き、改行に空白もまったくないプレゼン資料
デジタル人材の育成を掲げる前に自分たちのビジネススキルをあげてほしい。
読みづらいとも思っていないところがお役所仕事。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai2/siryou1-2.pdf
■デジタル大臣 牧島かれん デジタル庁 資料

サスティナビリティ、ウェルビーイング、イノベーション、ギガスクール、スーパーシティ、防災レジリエンス、スマートヘルスケア…流行りのバズワードは並ぶが、デジタルでフル・サポートなど具体的なイメージがなくすべて抽象化されたワードで埋め尽くされている傾向がある。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai2/siryou2-1.pdf

デジタル化することでのBEFORE AFTERのチャート図はわかりやすかった。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai2/siryou2-2.pdf
一方、具体的な事例は非常に理解しやすい。すでに民間でこれだけたくさんの地域との共創があるのかと驚く。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai2/siryou2-3.pdf
■デジタル田園都市国家構想実現会議 名簿

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/pdf/meibo.pdf
■プレゼン資料をみるだけで、その人たちの、コミュニケーションスキルがわかる!
■慶應義塾大学名誉教授 竹中平蔵 資料

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai2/kanren2.pdf
■100億円単位の事業予算資料が100ページ以上と続く…。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai2/kanren1.pdf