KNNポール神田@沖縄県です。

沖縄県では、2021年5月からの非常事態宣言が8月31日(火)まで続くこととなった…。通算で 3回目の101日間にわたる『慢性化』した『非常事態宣言』の再延長となった。東京も同時に8月31日(火)となるが、この五月雨式に発表される未来なき『宣言』自身にかなり疲弊してきた感がある。むしろ、8月31日以降もまた延期になった場合を想定内である…。

賛否両論のあった『東京五輪』ではあるが、結果として『テレビ観戦』という外出を抑制する効果で 8月8日(日)の『閉会式』までは、自粛期間中の巣ごもりコンテンツとして最大の威力を発揮することだろう。

しかしだ…。今回のトラブル続きの東京五輪の最大の誤算は、なんといってもスポンサー企業だろう。

ネット上にある信頼できる情報を元にしてIOCの収益規模をフェルミ推定してみる。

■『無観客』でパビリオンブースは設計すれど意味なしに!

今回のコロナ禍は世界で痛みわけだが、こと『東京五輪』に関しては、決定の遅さが目立つ…。テニスなども、開催がはじまってから午後3時からの開始へと変更となった。こんなことは最初からわかっていることであった。これらも日本の『忖度』が見え隠れする計画だ。こと、『無観客化』の決定も非常に遅かった…。パビリオンブースでの出展は、スポンサー企業の最大のメリットでもあるのに。無観客によって意味なしになってしまった。

□米P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は9日、東京・台場に建設済みだった「SK―Ⅱ」ブランドのパビリオンの一般公開を中止すると決めた。別のスポンサー企業も、会場近くへのPRブース出展中止を決定。無観客を踏まえたほか、人流抑制を求める世論に配慮したという。「今は、企業名が出てもメリットにならない」

□他のスポンサーの担当者も「逆風下の五輪で、今は『とにかく目立たない』が最優先。億単位の金を払って何をやってんだ、という感じ」と話す。

https://www.asahi.com/articles/ASP7974ZJP79ULFA00G.html

□キヤノンと東京海上日動火災保険は計画していたブースなどの出展を取りやめた。東京の台場や有明など臨海エリアの競技会場周辺にはスポンサーによる出展エリアが設けられる予定で、キヤノンは来場者の体験型撮影スポットを企画していた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/76e842e044e59a94d79a5b14db6ee459adb17917

□アシックスは、卓球日本代表の石川佳純選手を再現した高さ4メートルの巨大像の一般公開を見合わせた。東京・渋谷で披露を予定していたが、人が集まるのを避けるため取りやめた。同社の広報担当者によると、像は倉庫に保管してあり、いつどこで披露できるかは未定という。

https://news.yahoo.co.jp/articles/76e842e044e59a94d79a5b14db6ee459adb17917

例えば、ゴールドパートナーの『NTT』の場合、バドミントン部の桃田選手のメダル獲得を見据えての広報活動も積極的だった…がまさかの予選敗退。五輪はやはり魔物だ。

出典 NTT東日本
出典 NTT東日本

https://www.ntt-east.co.jp/symbol/badminton/contents/momota.html

アスリートにとって企業の実業団に所属し、給与をもらいながら練習に励めるのは最大の保険となるだろう。また、企業もそんなアスリートを支援することによって、企業のグッドウィルを醸成できる相互補完の関係性にある。

そして、当然、桃田選手×バドミントン×NTT というプロモーションも用意していた…。

それが、『NTT』の『超高臨場感通信技術「Kirari!」』だ。

出典:NTT 超高臨場感通信技術「Kirari!」
出典:NTT 超高臨場感通信技術「Kirari!」

パブリックビューイングだけでも日本全国で楽しめたはずだろうし、NTTが、しかもこのような用意をしていたが、日本科学未来館で、メディア向けにしか公開されていないのは残念でしかたがない。

~バドミントン競技ホログラフィック映像のライブ伝送実証~

□武蔵野の森会場に設置した8Kカメラの撮影映像からKirari!の要素技術である「任意背景リアルタイム被写体抽出技術」を用いて選手やシャトルの映像を抽出し、それを「超高臨場感メディア同期技術(Advanced MMT)」を用いてリアルタイム伝送します。

□遠隔会場の日本科学未来館には、競技会場と同様の観客席と実物大のコートが設置され、伝送された選手とシャトルの映像が、そのコート上に、ホログラフィックに表示されます。その際、俯瞰観戦型多層空中像表示技術により、手前の選手は手前に、奥の選手は奥にと、試合会場と同じ位置で表示されます。その結果、リアルなコートに二人の選手が降り立ったかのような空間を実現します。

https://group.ntt/jp/newsrelease/2021/07/29/210729a.html

『次世代臨場感テクノロジー』も全国のプラネタリウムでの配信が計画されていた。無観客化となったことにより、『密になる可能性のある』プログラムは消滅してしまう…。

■4年に一度のテクノロジーの祭典でもある五輪

4年に一度の五輪にあわせて、テクノロジーも大きく変革し、世界に自社の技術をアピールするチャンスでもある。特に夏季大会は、種目も多く、利用シーンもたくさんあるので、AI やロボティクスの利用なども、経験できる場が多くあったと思う。

開会式で見せたドローン技術も、ワールドワイドスポンサーの『インテル』のサービスであった。

■1824台ものドローンが織りなす開会式 五輪のシンボルマーク

リハーサル映像では、本番の開会式と違うプログラミングがなされていた。

□使用されたのは、最新式ドローン「PREMIUM DRONES」。4つのLEDを搭載しており、重さ340gの軽量ボディーと毎秒11mまでの耐強風性が大きな特徴。Intel製ドローンは18年の韓国・平昌冬季五輪の開会式でも使用されており、五輪での採用は2大会連続。夏季五輪でのパフォーマンスは初めてだった。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2107/30/news142.html

このドローンショーは、2018年の平昌五輪の二番煎じと言われるが、インテルはこの『ドローン』によるパフォーマンスは2016年からおこなっている。5年前からの最新技術だ。…とはいえ、最新の

10年間のワールドワイドパートナーの『インテル』としては、ドローンといえば『インテル』と想起させたかったのかもしれない。

ある意味、いろんな企業の思惑に『忖度』した開会式だったようだ。

2017年のスーパーボウルでのレディガガのパフォーマンスでも、このインテルドローンが披露されている。

■カネは払えど費用対効果のほどは…?

IOCへ支払う『東京五輪』 のスポンサード料金は推定 1社あたり

  1. ワールドワイド200億円 
  2. ゴールドパートナー150億円
  3. オフィシャルパートナー60億円
  4. オフィシャルサポーター30億円

となっている。

■ワールドワイドオリンピックパートナー

※10年間契約 推定1年200億円×14社×10年=2.8兆円 

1年で2,800億円、2年で5,600億円、3年で8,400億円、4年で1兆1,200億円…

マクドナルドはワールドワイドからは降りている…。

出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

■東京2020 オリンピック ゴールドパートナー ティア1

推定150億円×15社=2,250億円

出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

■東京2020オリンピック オフィシャルパートナー  ティア2

推定30億円×32社=960億円

出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

■東京2020オリンピック オフィシャルサポーター ティア3

推定30億円 × 20社=600 億円

出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

https://olympics.com/tokyo-2020/ja/organising-committee/marketing/sponsors/

■オリンピックのビジネスモデルの損益計算

東京五輪スポンサーは国内企業だけで60社以上あり、昨年(2020年)7月の開催に向けた契約額は五輪史上、過去最高の約3,300億円に上った。1年延期されたことに伴い、総額220億円相当の追加拠出を求められ、昨年12月には全社が契約を更新、総額は3,500億円を超えた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/76e842e044e59a94d79a5b14db6ee459adb17917

1.スポンサー収益 推定 1兆2,210億円

a.ゴールドパートナー 2,250億円

b.オフィシャルパートナー 960億円

c.オフィシャルサポーター600億円

合計3,810億円

こちらは『日本のパートナー&サポーター』のみなので、世界中のゴールドパートナー以下をあわせると、ざっとこの10倍以上にはなることだろう。

※10倍で、3兆3,810億円〜

d.ワールドワイド(今大会を3年分/10年として計算)分を8,400億円を合わせると

1兆2,210億円 (※夏季大会の場合)

となる。

2.NBC放映権料 推定 1,095億円

IOCの2019年財務報告によると、

2013~16年の収入は57億ドルで、その73%を放送権料が占めた。

東京五輪は、2014年のソチ以降の4大大会なので、10億9,500万ドル(1,095億円)が適応

IOCが米テレビ局NBCと契約した米国向け放送権料は、

2014年ソチ冬季五輪以降の4大会で43億8,000万ドル(1大会あたり10億9,500万ドル 1,095億円)

2022~32年の冬夏6大会で76億5,000万(※1大会あたり12億7,500万ドル 1,275億円)ドルにのぼった。

https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/20210708-OYT1T50305/

3.チケット・グッズ収入 ▲900億円  

今回はこれがあまり見込めないという大会となった。むしろ、返金作業などで大赤字となる。

本来は チケット収益を900億円を見込んでいた

2021年度 正味財産増減予算書

4.大会運営費のIOC協賛 ▲6,000億円

■IOCの手元には6,405億円が残る…

スポンサー収益  1兆2,210億円 (※夏季大会の場合)

放映権料 推定    1,095億円

(※2014年ソチ冬季五輪以降の4大会で43億8,000万ドル契約)

チケット・グッズ収入 ▲900億円 

大会運営費のIOC協賛 ▲6,000億円

結果、6,405億円がIOCの手元に残る。

■日本側の負担額は、総額1兆6,440億円

実質大会の予算 

IOC 1兆3,500億円のうち6,000億円を負担。

東京都が6,000億円

国が1,500億円