『ヤフー』の名称はいつまで残る?年間162億円のブランドロイヤリティーは純利益880億円の約2割相当

出典:Zホールディングス

KNNポール神田です。

PayPay銀行、PayPay証券、薄れる『ヤフー!』ブランド。すべてが『PayPay』になる日は?やってくるのか?

□ソフトバンクとNAVERは(2020年)8月3日からLINEの共同公開買い付けを進めており、出資比率50:50で合弁会社化する予定。この合弁会社がZHDを子会社化し、ZHD傘下にLINE事業を承継する新会社とヤフーをぶら下げるとしている。(韓国)聯合ニュースによれば、この合弁会社の名称がAホールディングスになるという。

□ソフトバンクは「正式に決定したものではない」とするが、特許庁の商標出願情報を見ると、Aホールディングスに決まるのは不思議ではない。

□ZHDは(2020年)4月17日付で「○(アルファベット1文字)ホールディングス」の名称を大量に商標出願。○に入るのはB、E、H、Jなど16文字だが、「A」はない。その3日後である20日にLINEが「Aホールディングス」「A Holdings」を商標出願。

出典:ヤフーとLINEの統合、合弁会社名は「Aホールディングス」? ソフトバンク「正式に決定したものではない」 しかしLINEが商標出願済み

□Zホールディングス株式会社(以下、ZHD)、およびZフィナンシャル株式会社(以下、ZF)は2020年秋以降順次、ZHD傘下またはZHDが出資する金融事業会社6社の社名、およびサービス名を「PayPay」ブランドに統一することを決定しましたのでお知らせします。

□ZHD傘下の中核企業の一つであるヤフー株式会社(以下、ヤフー)が出資するPayPay株式会社のスマホ決済サービス「PayPay」は、累計ユーザー数が3,000万人(2020年6月時点)を突破するなど、多くのユーザーにご利用いただくサービスへと急速に成長

□銀行やクレジットカード、保険など、ZHD傘下またはZHDが出資する金融事業会社が提供する金融サービスについても「PayPay」との連携を強化し、金融事業を成長させていくとともに、わかりやすい名称とすることでユーザーに親しみをもってサービスをご利用いただきたいという思いのもと、社名やサービス名を「PayPay」ブランドに統一することとしました。

出典:Zホールディングスの金融サービスを「PayPay」ブランドに統一

■『Zホールディングス』が消したい?『ヤフー!』ブランド

※当記事は『ヤフーニュース!』の記事ですが、ジャーナリストの執筆するオピニオン個人記事で、ヤフーの正式コメントではありません。

約1年前、『Zホールディングス』が設立発表された時に、こんな記事を書いた(2919年9月9日)が、『Yahoo離れ』が現実味を帯びてきた気がする。

□『Zホールディングス』は『PayPay』を金融持ち株会社の傘下とする予定だ。そして、新生『Zホールディングス』は通信の『ソフトバンク』が44.5%のシェアを持つ親会社となっている。そして、『PayPay』の出資は、投資会社の『ソフトバンクG』 50% 通信の『 ソフトバンク』25% 、社名変更する『Zホールディングス』25%という資本構成だ。この資本構成の中でも、記憶からゆっくりと薄れていくのが、『Y!』の『ヤフー!』の名前だ。

出典:『ヤフー!』が『PayPay』にブランド変更したい4つの理由 『Zホールディングス』始動

『ソフトバンクG』保有の『ZHD』株式を『ソフトバンク』が買い入れ、『ソフトバンク』が100%出資する『汐留Zホールディングス株式会社』が株式譲渡で44.64%を所有しているので、『Zホールディングス』は、『ソフトバンク』の孫会社にあたるようになった(※連結対象は変わらず)

そして、『Zホールディングス』傘下に、現在の『ヤフー株式会社』があり。そして、並列で『Zフィナンシャル株式会社』が存在する。

■『ヤフー!』ブランドの年間使用料は162億円だった

ヤフーの年間ロイヤリティは162億円 出典:2019年度ZHD損益計算書より
ヤフーの年間ロイヤリティは162億円 出典:2019年度ZHD損益計算書より

https://www.z-holdings.co.jp/ir/presentations/earnings/

『ヤフー』という名称の使用権利料の年間での使用料はヤフーブランド売上の3%と言われている…。

しかし、実際にヤフーの販売費及び一般管理費の内訳の中では『ロイヤルティ』の名のもとに、各期で40億円程度あり、年間ロイヤリティーでは162億円(2019年度)ということなので、『ヤフー』の年間売上の1兆0,529億円(1.5%)ではなく、売上総利益(粗利)6,284億円(2.5%)に近いことがわかる。

営業利益1,522億円では10.6%、純利益880億円では18.4%へとヤフーブランドのライセンスロイヤリティーのシェアは拡大している。

2020年3月期までのP/Lデータを筆者集計 出典:ZHD
2020年3月期までのP/Lデータを筆者集計 出典:ZHD

なんと『ヤフー』という名称を日本国内のみで使うだけで、純利益の約2割を、米国では、もはや存在しない『Yahoo!』に上納しなければならないのだ。いや、しかもそれは、ソフトバンクが保有していた『SPRINT』のライバルの『Verizon』の『Verizon Media Group』が支払い先であるのだ。これは親の敵に塩を送るようなものだった。

このコストは『ヤフー』のブランド名称を変更するだけで、削減できるコストではないのだろうか?

それらの動きが、Zホールディングスの社名変更に至り、金融系はすべて『PayPay』に統合。すでに『ヤフオクドーム』は『PayPayドーム』へとネーミングライツも改称している。

『ワイモバイル』の名称を『Y!』に改称したり、『ヤフーニュース』を『Y!ニュース』と改称することはできるけれども、それだけでは契約解消ができずに、今回はさらに『ヤフー』をまったく連想させたり、想起させない『Aホールディングス』のような『ヤフーばなれ』した名称を選択したいのかもしれない。いずれにしてもヤフーとLINEの合併により、LINEの名称もZOZOの名称もPayPayの名称も使いやすくなることには変わりない。統合化した後には『ヤフー』全体のリ・ブランドも視野にはいっていることだろう。

しかし、単なるリ・ブランディングだけでは終わらない…。

この記事は有料です。
KNN総研リポートのバックナンバーをお申し込みください。

バックナンバーの購入

サービス名

KNN総研リポートのバックナンバー2020年8月サンプル記事

神田敏晶

価格

1,999(記事3本)

2020年8月号の有料記事一覧

すべて見る

ニュース時事をフックに新ビジネスを考えるニュースマガジンです!独自のコンサル手法リサーチで新たなビジネスアイデアを提案します!

注意事項
  • 購入後も記事の提供を中止させていただく場合があります。

    注意事項」を必ずお読みいただき同意のうえ、ご購入ください。

  • 購入後に記事が表示されない場合はページを再度読み込んでください。

1961年神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の編集とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。メディア出演、コンサル、取材、執筆依頼 などは 070 5589 3604 まで

Facebookコメント

表示

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。

Yahoo!ニュース個人編集部ピックアップ