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『東京アラート』とは?説明がとても雑なので、わかりやすく解説

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
(写真:つのだよしお/アフロ)

KNNポール神田です。

大阪府が『通天閣』の色を変えるという信号形式の安全表示は、そのまま東京都にも伝わり、2020年6月2日(火曜日)23時に、『東京アラート』が発動され、赤くライトアップで照らされた…。

東京都は(2020年6月)2日、新型コロナウイルスの感染者34人を新たに確認したと発表した。新規感染者が増加傾向にあることから、都は感染再拡大の兆候があるとして独自の警戒情報「東京アラート」を初めて発動した。

都は休業要請などを5月26日から段階的に緩和、6月1日には劇場や映画館、学習塾など幅広い業種への要請を解除したばかりだった。

出典:「東京アラート」発動 都、新たに34人の感染確認

■そもそも『東京アラート』とは…?

『東京アラート』とは?東京都の説明が、とっても雑なので、ITジャーナリストが、わかりやすく解説してみたい!

東京アラート発動中 出典:東京都
東京アラート発動中 出典:東京都

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1007942/1008167.html

東京都庁の説明によると…

「東京アラート」は、都内の感染状況を都民の皆様に的確にお知らせし、警戒を呼び掛けるものです。

…となっている。そして、東京都で集計された『モニタリング指標』によってそれらが『発動』される。

そもそも、『東京アラート』とは、小池百合子都知事の『キャッチフレーズ好き』が生み出した無用の産物でしかないだろう。単に『東京都モニタリング警戒情報』でもよかったはずだ…。

アラートとは、英語で「警報」という意味であり、パソコン用語としては、ユーザーが誤った操作をしようとしたときの警告や確認、注意を促すメッセージを指すものである。

…。なので、『東京アラート』発動と言われてしまうと…とてつもない事が起きているかのような錯覚を抱いてしまう…。それそそれで、警戒情報だから良いのだが、…かといって、また『再自粛要請』されるものではないというから、ハナシがややこしくなっているのだ。

■『東京アラート』と『営業自粛要請』の『損益分岐点』を見極めよう!

これらの情報はすべて、東京都の『ウェブサイト』で公開されているので、テレビやワイドショーの情報で煽動されることなく、自分自身の目で確認することをぜひ、おススメしたい。ただし、東京都の『新型コロナウィルス感染症対策サイト』では、『説明が雑』なので、わかりやすく解説してみたい。

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

『東京アラート』こと、『警戒情報』は、これらの『約1週間のモニタリング指標』で発動された。つまり、これらの約1週間のモニタリング指標にもとづいて、発せられる『警戒情報』のことだ。しかし、こちらの図を見ても非常にわかりにくい…。

モニタリング指標 出典:東京都
モニタリング指標 出典:東京都

『目安となる数値』の『緩和ポイント(東京アラート)』と『再要請(再自粛要請)ポイント』があることを意識してみてほしい。

2020年6月2日火は…、

『(1)新規陽性者数』が、16.3人で『緩和ポイント』の20人以下でセーフ。

しかし、『(2)接触歴不明率』が50%で『緩和ポイント』の50%以下でアウト!

また、『(3)週単位の陽性者』が2.15人で『緩和ポイント』の1以下を超えたのでアウト!

2つ以上の『緩和ポイント』を超える数値となったことで『緩和ポイント(東京アラート)』が出されたのだ。

大事なのは、緩和ポイントを超えたことである。これらの『緩和ポイント』が東京アラートなのだ。

『東京アラート』の目安 出典:東京都
『東京アラート』の目安 出典:東京都

■『緩和の目安(東京アラート)』は超えたが、『再要請の目安』は超えていない?

モニタリング指標 出典:東京都
モニタリング指標 出典:東京都

こちらの図では、『緩和の目安』は超えたが、『再要請の目安』は超えていないことをあらわしているが、読み替えると、『緩和ポイント(東京アラート)』を超えたが、『再要請(再自粛要請)ポイント』は超えていない状況であることが理解できる。

モニタリング指標筆者追記 出典:東京都
モニタリング指標筆者追記 出典:東京都

なので、『3密』を警戒してほしいという指標ととらえるべきだ。

なので、『東京アラート』で一喜一憂するのではなく、自粛要請緩和のポイントを上回った状態であるという認識の元で、普段の新しい生活スタイルを注意しながら守るべきなのである。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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