WWDCアップルのプライバシー戦略の全貌が明らかに!『Sign in with Apple』

出典:Apple

KNNポール神田です。

13分間でわかるキーノート(英語 出典:The Verge)

□米アップルは(2019年6月)3日午前、カリフォルニア州サンノゼで、開発者向けの会議「WWDC」を始めた。iPhone向けの新たな基本ソフト(OS)ではプライバシー保護の機能を強化するほか、アップルウォッチ向けの新たなOSでは、iPhoneと離れていても時計だけでより独立して使えるようになる。加えて、iPad用のOS「iPad OS」も新たに導入すると発表した。

□ アップルは、新たなiPhone向けのOS「iOS 13」を会場内で発表。地図機能をより詳細にするほか、さまざまなウェブサービス上で、アップルのアカウントを使ってサインインできる「サイン・ウィズ・アップル」という機能を設ける。

出典:姿を消すiTunes アップル、iPadに新OS導入

https://www.apple.com/apple-events/june-2019/

■予想を裏切る怒涛の発表ラッシュ!

今回のWWDCは事前に、小粒のハードウェア発表があったので、ソフトウェアの詳細にフォーカスされる小ぶりのキーノートになると思いきや、怒涛の発表ラッシュとなった。個別の発表についてはあとでレポートするとして、今回の一番気になったのが、『iOS13』でフィーチャーされることとなる『Sigh in with Apple』だった。

■『Sigh in with Apple』という名の打ち出の小槌

facebookやGoogleでのサインインは便利だが…出典:Apple
facebookやGoogleでのサインインは便利だが…出典:Apple

現在のITサービスの悩みの要因はいつも『セキュリティ』だ。ほとんどのサービスがログインするために、メールアドレスを使った『ログインID』と『パスワード』の組み合わせ、さらに二段階認証などが必要となる。そして、Facebook ID や Google ID で簡単にログインする方法があればそちらを選択するという選択肢くらいしかない。

しかし、FacebookやGoogleは匿名ではありながら、誰がどのサービスを利用しているのかの情報を、『広告表示』の情報として利用することを生業としている。

そこで、今回、紹介されたのが、『Sign in With Apple』だ。

■画期的なメールアドレスの秘匿性機能『Sign in With Apple』

アップルのプライバシー戦略は、ナンバーのないクレジットカードの『Apple Card』の発表(2019年3月25日)にも見られたように、ユーザーのプライバシーを限りなく秘匿するというポリシーに強く現れている。

今回の『Sign in With Apple』は、ログインに必要な機能のAPIをサービス事業者に提供するが、iOSからの顔認証のFace ID や指紋認証のTouch IDなどを活用し、ユーザーの情報を提供しないことを一番の売りにしている。そして、登録時のメールアドレスによるID設定は、ユーザーの本当の『メールアドレス』を渡すのではなく、ランダムに生成されたメールアドレスを渡すという。

もう自分のメールアドレスを提供しなくてよくなる 出典:Apple
もう自分のメールアドレスを提供しなくてよくなる 出典:Apple

つまりそのランダムに生成されたメールアドレスは、『iOS13』のローカルでのみユーザーと紐づけされるのだ。この発想は画期的であり、今後のAppleの製品を選ぶ際の重要なポイントになりそうだ。

ランダムに生成されるログインメールアドレス 出典:Apple
ランダムに生成されるログインメールアドレス 出典:Apple

そう、自分のメールアドレスを提供することによって、情報漏えいやジャンクメールなどによって、長年悩まされてきたからだ。

少なくとも、『Sign in With Apple』でログインし、ブラウザの『Safari』であれば、『新しいパスワード候補を表示』で強固なパスワードが提案され、そのパスワードごとSafariが管理してくれる。自分で、複数のパスワードを考えたり、管理する必要性をなくしてくれる。

■パスワード管理は『iCloudキーチェーン』が管理

パスワード管理ソフトやアプリを使わなくても、『iCloudキーチェーン』が管理してくれているからだ。

【設定】>【パスワードとアカウント】>【パスワードを自動入力】>【iCloudキーチェーン】>【オン】

以前のOSであれば…

【設定】>【Safari】>【パスワード】>【オン】

もしくは、

【設定】>【(自分の名前)iCloud】>【キーチェーン】>【オン】

■Appleのプライバシー戦略

GAFA企業の中で、『プライバシー』を一番訴求するのがAppleである。 GAFA企業の中で、広告ビジネスを持っていないのがAppleだからというのもあるが。Appleは、サファリやiCloudキーチェーンの『パスワード管理』から、AppleWATCHの『健康管理』、AppleWALETの『金銭管理』にいたるまで、すべてのユーザーの『プライバシー』を知ろうとしていないところが、明確な差別化戦略となってきている。他のGAFA企業はユーザーの行動を知れば知るほど優位な提案ができる立場だが、Appleは、ユーザーの情報はユーザーがコントロールすべきという方針を明確に打ち出している。欧州のGDPRなどの問題や、情報漏えいが話題になる昨今、Appleのプライバシー戦略は、スマートフォンの差別化が僅差になっているからこそ、最大の強みである。そう、Apple以外のスマートフォンやタブレット類の大半はGoogleのAndroid OSが搭載された端末である。Googleが無償でAndroidを提供できるのは、極端に言えば、ユーザーのプライバシー関連情報を広告にマネタイズできるからである。

筆者はGoogleに対して、積極的に個人情報を提供する代わりに、便利さというベネフィットをたくさん得ているので、まったく問題ないのだが、何も知らないで、個人情報を提供し続けている人は自分の個人情報の価値を再確認するところだ。個人情報とメールアドレスと

使い回しのパスワードほど、危険なものはない。まずは、パスワードからでもパスワード管理ソフトを使って管理すること。

■さらなる『プライバシー・カンパニー』をめざして!

そして、Appleに一番必要なのは、iOSでダウンロードするアプリ全体のプライバシーを管理できるアプリやサービスではないだろうか?

そして、定額課金されているアプリも簡単に管理するアプリも必要である。

プライバシー戦略を打ち出しながらも、iOSのサブスクリプション課金アプリはこんなにも深いところをチェックしなければわからない。

Appleの次期OSで大きく変わるチャンスだ。ユーザーが自分の情報をコントロールし、管理しやすいという信頼の『ブランド』をさらに徹底することが最大の戦略となることだろう。

サブスクリプションを表示・変更・解約する 出典:Apple
サブスクリプションを表示・変更・解約する 出典:Apple

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