電通残業問題、金曜日になって月曜日の朝までにを強要するクライアント

(写真:ロイター/アフロ)

KNNポール神田です!

なんだか、社会と自分のズレをすごく感じる今日この頃。

先月、残業苦を理由に投身自殺された高橋まつりさん。

高橋さんの報道後、ツイッター上では「月残業時間105時間」という部分に注目が集まり、「俺150時間オーバーを経験してるんだけど」「毎月残業代なしで月150時間以上残業してる」と、自らの残業時間と比較する声がいくつも上がった。

出典:長時間残業「自慢合戦」の無意味 電通新人の自殺で直視すべき問題

残業時間105時間を31日で割れば、1日あたり3.4時間。

残業時間150時間を31日で割れば、1日あたり4.8時間。

タクシーの運転手さんがこれだけ走ればどれくらいの金額になるだろうか?

どう考えてもサービス残業が残業時間のデフレを興しているとしか思えない。

金曜日の夜になって、月曜日の朝一番までにの意味は?

筆者も何十年か前はマーケティングの下請け業務で、上流の広告代理店さんからの依頼で、金曜日の夜になった時点で、日曜日の午後までにという締め切りを何度も経験したことがある。すると、クリエイティブの残業はチームに土日に出社して、悶々とすることになったりする。クライアントが月曜日の朝一番の会議で必要な資料は、その前日の日曜日の夜から早朝にかけて何度も代理店さんとやり取りされたものだったりする。

東京労働局が電通に強制調査し是正勧告を行うけれども、むしろそこではなく、発注しているクライアント側に「金曜日になって月曜日の朝一番までに」という発注をしていないかどうかを上場企業にも調査すべきではないだろうか?これは上場企業にかぎらず、日本の企業間取引の中で普通に行われていることだろう。

仕事で、突然、土日も会社となったお父さん、お母さんからは、仕事だから仕方がないとたしなめられる。…一方、お父さんに仕事を依頼したクライアントは、土日は子供と一緒にレジャーを満喫していたりする姿がfacebookにアップされ、イクメンパパぶりをアピールしていたりする。土日の約束を裏切られた側のお子様は理不尽な世の中を知ることとなる。

土日に仕事が発生するならば、深夜タクシーに乗るつもりで…

金曜日の夕方になって、仕事を発注するというスタイルはもはや、深夜タクシーを2日間キープするくらいのコストがかかるという認識を持ったほうが良いだろう。慣習というのは恐ろしい。自分たちは週5日だが、週7日間、働いてくれるコビトさんがいると思っているからだ。残業時間が減らない原因の理由にクライアントの発注方法が甘いということも考えられるのではないだろうか?

労働基準局はこのあたりの、労使関係だけではなく、慣例的な発注形態の実情についても深く調査すべきである。願わくば、土日の作業に関しては、深夜タクシー並のコストがかかることを認め、何十万、何百万、いや何千万円も発生していて無報酬で働かされている下請け業界の実情をピックアップするわけだ。広告業界がそうであれば、その下流のウェブ業界なども必ず影響を受ける。ローンチ前は大変ではなく、ローンチ前を大変にしない努力をしてから言わなければならない。