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ついにAmazonプライムビデオがサービス開始!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

2015年9月24日(木)amazonプライムビデオがスタート!
2015年9月24日(木)amazonプライムビデオがスタート!

「映画・TV番組 2015年9月下旬スタート」と下旬になっても、シルバーウィークでもなかなかスタートしなかった「Amazon プライムビデオ」が本日ようやくサービス開始となった。今月、プライム会員を解約したばかりだが、この「amazonプライムビデオ」と生活用品の「amazonパントリー」を試したいので、Amazonプライム会員の一ヶ月無料会員になった。一度、解約している人にも一ヶ月のお試しが無料とはamazonなかなかの太っ腹だ。

テレビ直結のFireTVの4,000円ギフト・プレゼントもはじまった!

さらに、Amazonビデオをテレビ画面で楽しむための「Fire Stick TV 4,980円」と「Fire TV1万2,980円」が販売されている。そして、9月26日(土)までなら「プライム会員登録」と同時ならば、4,000円分のAmazonギフト券がプレゼントされる。Stickタイプならば、実質980円 FireTVも、8,980円となる。Siriによる音声対応の新型AppleTVを阻止したいのがみえみえだ!ChromecastにApple TVにFireTVと、液晶テレビの裏側のHDMI端子の獲得合戦も過激になろうとしている。

amazonプライムビデオの特徴

さて、amazonプライムビデオのラインナップを紹介してみよう。プルダウンメニューのカテゴリーでは、すでに電子書籍の「kindleストア」の次に「Amazonビデオ」と2番目の特等席に陣取っているから力のいれようがわかる。そこからプライムビデオを選択する。「Amazonパントリー」などは35番目だからだ。

すでに、hulu(933円)やNETFLIX(650円、950円、1,450円 2015年09月2日(水)スタート)が上陸し、ストリーミングの映画は定着しつつある。amazonプライムビデオの最大の特徴は、なんと言っても価格だ!amazonプライムの年会費(3,900円)で年間見放題なのだ。一ヶ月に換算すると、一ヶ月あたり325円という価格となる。huluの35%、NETFLIXの50%という価格の安さだ。もちろん、これにプライム会員の宅配サービス、月額一冊のKindle本プレゼント、タイムセールの開始前参加、パントリーのサービスなどが付随するから心理的な負担ははるかに低いだろう。wowowのe割でも最大2ヶ月1,800円、通常2,300円なので割安感は十分だろう。

また米国のプライムは79ドルから99ドル(1万1,880円)に値上げとなったので、日本が一番安いのも魅力だ。

amazonプライムビデオで期待した洋画版の字幕だが、NETFLIXのように英語学習用途に使える英語字幕などは提供されていない。基本的に洋画は現地語で日本語字幕だけの対応だ。ここは海外のサービスなんだからなんとか対応してほしい。huluと同様である。

やくざ映画からAKB48まで!日本アマゾン独自の企画に特徴が!

プライムビデオ、なんとヤクザ映画の特集が斬新!
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筆者は苦手だが、「AKB48」のラインナップが膨大にスタートした!。これだけでもAKB好きのハートはガッツリ掴んでいるのではないだろうか?誰が誰だかわからないAKBグループがふんだんにあるのだ。さらに、amazon独自のドラマからテレビドラマまで、このあたりはNETFLIXとガチ勝負だ。日本テレビ傘下のhuluもテレビの旧作があるが、amazonのラインナップはなんと「やくざ映画」を特集した。

見終わった作品は閲覧した商品として、Amazonの履歴に残っている。「関連した作品をレコメンドする」といったようなNETFLIX的な要素はまだないが、Amazonでは映像以外の商材でも、何でも購入できる。この分野には大いに期待ができそうだ。

プライムビデオでやってほしいこと

NETFLIXの売り物は見放題の映画しかないが、Amazonはありとあらゆる商品をワンクリックで、しかもプライム会員ならば、明日にでも届くという既存のシステムがある。映画を観たら関連する作品をAmazonビデオで有料で購入したりDVDで購入することもできる。さらに映画に登場するアクセサリーや洋服や時計やシューズやクルマまでも関連づけて購買させることもできる。それをamazonが人的にやろうとすると大変な作業だが、amazonにはカスタマーレビューという仕組みがある。もちろん、映画などにあわせてレビューを書くこともできるし、エンベッド(埋め込み)してブログなどに、アフィエイトすることもできるのだ。つまり、映画やドラマに合わせてカスタマーレビューからいろんな商品をユーザーたちがレコメンドし始め収益を得るような可能性を秘めている。そのプラットフォームを創造するだけで、amazonは映画やドラマを基軸としたユーザーとセラーがあいのりできるプラットフォームとなれるのだ。これには期待値が高まる。ただ、amazonはAppleやGoogleと同様に、コミュニテイやSNSのしくみづくりが大変、苦手な企業だ。このあたりのカスタマーレビューをSNS的にカスタマイズしながら、それによってユーザーのトラフィック流入がなされたり、商品が購入される仕組みを講じるべきだろう。

今や、広告・宣伝よりも知人のオススメや知人の使用のレビューが一番、知人ユーザーの財布に響くからだ。

また、さらにHDMI見放題でテレビの視聴占有率が独占されれば、企業の地上波のCMのチャンスも無くなる。…それであれば、amazonがハリウッド仕立てでCM料金でドラマを創るなんて世界も考えられなくもない。NETFLIXやamazonのようにテレビ局を敵にまわしても、なんら問題のない企業はCM出稿予算でも番組を制作できることだろう。amazonなら、公開日以外は販売することができる。海外でも日本でもテレビ局と深い関係にあるhuluには無理なビジネスモデルだ。いずれにせよ、Appleもgoogleも番組制作や映画制作に、いつ乗り出してもおかしくない時代だ。もちろん、自動運転のクルマで映画を見る時代も早く見せてほしいものだ。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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