NECさん、売上841億円のビッグローブ売却よりも本体のリストラでしょ?

ついにNECがビッグローブまでを、売却せざるを得なくなったという印象のニュースだった。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1310/10/news133.html

ビッグローブは300万人ユーザーを抱える日本国内最大のISPの1つ。2012年度の売上高は841億円

(NECは)11年度に1100億円の最終赤字を計上し、財務的に苦しい同社は、挽回するためシステム構築事業への集中と不採算事業からの撤退を進めている。

売上3兆716億円(2013年3月連結決算)のNECが、売上841億円(2012年)のビッグローブを売却する予定だ。別会社ではあるが、NECの売上の約2%を占める程度の規模がビッグローブだ。

ISP事業は伸び率の期待はないけれども、激減する心配もないいわば、静かなカネのなる木(cash cow)事業であるはずだ。インターネットのプロバイダーは、生命保険と一緒で一度契約してしまうと誰もが意識しなくなる商材だ。新規競合が現れてはじめてスイッチされるリスクはあるが、人はそうそう、ネットに繋がらなくなる不安を好んで行うものは多くない。

ビッグローブは社員数 約600人 1人当たりの売上高は、1億4000万円である。超優秀な個人売上高だ。

いくら利益率が違うビジネスモデルといえども、NECの連結社員11万人では、1人あたりの売上高は2800万円にすぎない。NECはビッグローブの1/5の売上に対する社員生産性である。

この数字を見て、NECの幹部が、売却を判断する気持ちが経営者としては、よくわからない。

まずは、NEC側のさらなるリストラで1人当たりの生産性をあげることだろう。

逆にビッグローブに大量に人を動員し、新たなサービスの分野に投資しなければならないのではないか?

いくら、ビッグローブを、841億円×3年分程度、約2523億円で売却できたとしても、NECの売上単年度の10%に満たない。つまり、NECとしてはビッグローブを売却しても、たった1ヶ月分の予備タンクが備わるだけでしかないのだ。それだけ巨大な組織なのだ。

11万人いる社員を活かしながら、製造業が生き残るには、ドラスティックな変化が必要だ。かつての製造業の成功体験が深く根付いている間は、急激な変化が難しい。

倒産するかもしれないと11万人が真摯に思える環境を、企業の幹部みずからが醸成しないといけない。

まるで、現在のNECは、沈みゆくタイタニックでまだダンスを踊っている状態に近いだろう。

ビッグローブを手放して、1ヶ月分の予備タンクを背負うよりも、メタボで運動不足な体質を改善をしなければ、また別の事業をすぐに売却していかなければならない。タコでないので、切った足は二度と生えてこない。

2020の東京オリンピックが決定した以上、インフラビジネスは好調になるので、長い規模で考えるならば、ビッグローブの金のなる木を手放すのは無意味だと思う。

反対に、ビッグローブを購入する側としては、いろんなところが名乗りをあげることだろう

まずは、ソフトバンクだ。携帯ではシェアを伸ばしているが、家庭の中のヤフーBB500万人にビッグローブ300万人を上乗せできる。プロバイダーの客層は重複していないから資産として一瞬に増える。

買収金額も約2523億円ならばまったく問題ない。企業風土が合うかどうかが問題でもあるが…。しかし、携帯の基地局設営などのインフラ面などでは本体NECとのシナジーがあるだろう。

次は同業種のニフティだろう。シェア拡大によるマーケット戦略は鉄則ではあるが、ブランド化において、どちらもポータルとしてよりも、土管化としての価値しかみえてこないところが気になる。ユーザーは契約した時しかブランドを覚えていないという成熟しきった市場でもある。展開が難しい。

そして、Google当たりが回線周りも手にするとさらにユニークな展開をしてくれそうだ。ISP料金無料という戦略だ。その代り、すべてのパソコンの利用状況からライフスタイルまでのビッグデータが分析される。

一番つまらなそうな売却先が、マイクロソフトだ(笑)OS以外は何をやっても中途半端だからだ。

そう考えると、今のNECにいるよりも、ビッグローブは他の企業と座組みしたほうがもっと面白いことができる企業になりそうだ。

1961年神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の編集とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。メディア出演、コンサル、取材、執筆依頼 などは 070 5589 3604 まで

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