ガジェットとメディアの未来予想図 デバイスを制する者が、生活者を制する!
ガジェットとメディアの未来予想図 デバイスを制する者が、生活者を制する!
タブレット端末は、電子書籍フォーマットの「キラーハード」
筆者の購入したデバイスでコンテンツを閲覧してみた。
1.amazon kindle
2.Rakuten kobo Touch
3.Asus Android Nexus7
4.Apple iPad
5.Apple iPhone5
6.Apple iPad2
「実際に本を愛する一読者として、いろんなデバイスで「電子書籍」を閲覧してきた。しかし、未だに決定打となるようなデバイスとは残念ながら出会えていないのが本音だ。
電子書籍を読むならば、大きなスマートフォン、持ち運びを考えると、小さなタブレット、太陽光だとEink方式。しかし、どのデバイスも一長一短である。しかし、だからこそまだチャンスはある。
ブルーオーシャンの市場として、防水仕様のようなハイエンドな機能は、日本のメーカーでしか造れないのではないだろうか?そんなお風呂で読書をするのか? 紙ではできなかったことを実現できるのが電子書籍の「使命」の一つだとボクは思う。しかも、シニア向けで7インチ以上、目にやさしく読みやすい
フォントで長時間で、軽くて丈夫なデバイスなど。
また、デバイスごとのプラットフォームの乱立も読者を混乱させるばかりだ。
版元ですら契約関係が煩雑となる。もちろん、デバイスが過渡期な現状だと、まだプラットフォームは変化する。さらにインタフェースともなるとさらに乱立している。本の読み方がわからないという本質的なところでひっかかる。
今の電子書籍のデバイス環境は、過去のPCの業界の歩みに非常に似ている。
当時は、日本特別仕様のNECのPC9801シリーズが圧倒的なシェアを築いていた。しかし、叙々にIBMコンパチブルのDOS-VやMacintoshなどが登場し、遂に1995年にWindows95というある意味でのOSというコンテンツでデバイスごとの規格がなくなった。
するとインターネットというブラウザでアプリケーションベースでNetscape navigatorとInternetExplorerに大別された。ウェブサイトはそれにあわせて両社のバージョンごとによって作り変える必要が生まれた…。
AppleのiPhone5のバッテリケーブルの形状が、5年ぶりに更新したことによって、かつてのペリフェラルが使えなくなった。電子書籍のフォーマットも、いつ統合化されたり、廃止されたりするかの危機感は常にある。
さらに日本語の場合は、タテ書き書籍と、マンガのようなレイアウトと、左進行の独自性も担保されなければならない。英語では簡単だった辞書機能や音声読み上げ、ハイパーリンクなど多種多様な期待を日本語フォーマットをクオリティの高い日本人はさらに要求するので日本の市場は参入障壁の一番高い市場でもある。
現在、OSデバイスのApple iOSにGoogle Android。さらにAmazonや楽天というコンテンツデリバリー系のプラットフォームが、デバイスや規格フォーマットにまで参入している。
日本では、紀伊国屋書店が「kinoppy(キノッピー)」でiOSやAndoroidアプリケーションで独自の日本語タテ書きフォーマットをサポートし、書店側がプラットフォームに独自参入。
漫画onWebでは、佐藤秀峰氏の「ブラックジャックによろしく」を全巻無料ダウンロードというコンテンツ先行配布や、漫画の「ネーム」と呼ばれる下書きさえもコンテストを開始し、「下書き」コンテンツという紙のメディアではありえなかった市場を模索している。
実は電子書籍が元年どころか、エンドユーザーも巻き込んだ、社会全体でのフォーマット策定委員会の途中といったほうが良いだろう。
しかし、完全に紙よりも便利な部分が新たな産業構造を作ることは明確だ。
失われつつある1兆8042兆円の出版市場よりも、新たな大きな産業となることに、エンドユーザーも投資するべきである。
そのためには、デバイスでの市場を確立することがもっとも重要である。ルールは簡単だ。どのデバイスでも閲覧できること。
意外にこれがハードルが高い。しかし、デバイスを作る必要はどこにもない。
デバイスを制するものが読者、そして生活者をも制する。