Yahoo!ニュース

【NHL】北京オリンピックで、NHL選手が見られないかもしれない!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
金メダルを掛けたオリンピック決勝戦(写真:ロイター/アフロ)

今年9月に筆者の記事でも紹介しましたが、来年2月4日(現地時間)に開幕する冬季北京オリンピックには、NHLの選手が参加します。

NHLの選手が参加することで、男子アイスホッケー競技は、最高峰のスキルを持った選手たちの最高峰の戦いが見られることになります。

しかし!

ここへきて、NHL選手の出場に関して、暗雲が立ち込めてきました。

▼不安を口にする選手たち

NHLの若きスーパースター コナー・マクデイビッド
NHLの若きスーパースター コナー・マクデイビッド写真:ロイター/アフロ

20歳で初めてのMVPを受賞したのを皮切りに、昨季で3回目のMVP受賞となった、エドモントン・オイラーズのキャプテン、コナー・マクデイビッド

シドニー・クロスビー(ピッツバーグ・ペンギンズ)、アレックス・ピエトランジェロ(ベガス・ゴールデンナイツ)と共に、10月に発表されたカナダ代表チームの最初の3名に選出されましたが、先日、北京オリンピック出場への不安を口にしました。

その理由は、新型コロナウィルスに感染した際の対応について、北京オリンピック委員会からの明確な回答が得られていないことが最大のです。

PCR検査で陽性となった場合、北京オリンピックに出場できなくなるだけでなく、中国国内のルールでは3〜5週間の隔離期間があると報じられ、このルールが北京オリンピックで採用されるのかが不透明とのこと。

また、スウェーデン代表に有力視されていたロビン・レナー(ベガス・ゴールデンナイツ)も、陽性と判定された場合に何が起こるかわからず隔離されることに精神的な不安を感じているとの理由で、スウェーデン代表を辞退すると述べています。

▼NHLは、選手の参加を取り消すことができる!!

NHLは、レギュラーシーズンを中断し、北京オリンピックへの選手派遣を発表していますが、実は、1月10日まで、NHLは選手の出場を取り消す権利(オプトアウト)を有しています。

新型コロナウィルスの流行により、チーム内で感染者が増えて選手が欠場することになり、試合開催に影響を及ぼす場合は、レギュラーシーズンの試合を延期することになります。

この延期となった試合は、スケジュールを変更することによって開催しますが、スケジュールを変更してもレギュラーシーズンの試合がすべて開催できないとNHLが判断した場合は、オリンピックへの選手の参加を取り消すことが出来るのです。

この権利については、9月のNHL選手出場決定の際に、既に条件の一つとして加えられていました。

12月20日現在で、NHLの32チーム中、23のチームで感染者が発生。

12月23日までに予定されていた試合のうち、49試合が延期になっていましたが、12月21日に、さらに1試合の延期が追加となり、合計50試合が延期となりました。

また、一部のメディアでは、「NHLとNHL選手会との間で北京オリンピック出場を取り消す合意に達し、発表を待つばかり」と報じています。

北京オリンピックでNHL選手が見られるのか?

それが判明するのも、もう、間もなくと思われます。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

加藤じろうの最近の記事