【NHL】ドラフト1位指名された日系人ヤマモトの目標は、ドラフト指名されなかった身長173cmの選手
NHLはプレーシーズンゲームの開幕まで、あと3週間。
オフシーズンを満喫していた選手たちも、キャンプへ向けてトレーニングに汗を流し始めているようです。
▼ヤマモトが大いにアピール!
各チームのキャンプで注目されるのは、やはり新戦力。
それもそのはずで、ルーキーをはじめレギュラーポジションを狙う若手選手たちにとって、キャンプやプレシーズンゲームは、文字どおりアピールの場となるからです。
なかでも注目されるのは、エドモントン オイラーズの カイラー・ヤマモト(FW・18歳/タイトル写真)。
身長173センチ 体重67キロと、サイズで見劣りする点を懸念する声も聞かれる中、6月のドラフトでエドモントンが1巡目(全体22番目)で指名。
「素晴らしいスキルと強さを併せ持っていて、我々が本当に欲しかった選手」。
このように高く評価したエドモントンの期待に応え、ルーキーをはじめとする若手選手を集めたデベロップメントキャンプや、U20代表候補選手が集まった国際大会で活躍し、大いにアピール。
レギュラーシーズンへ向けたキャンプが始まる前日に行われる地元の大学チームとの試合を皮切りに、(在籍しているジュニアチームとの契約が残っていますが)NHLのスタープレーヤーを目指す戦いがスタートします。
▼ヤマモトが目標としている選手
エドモントンのファンから、早くも大きな期待を受けているヤマモトですが、彼には目標としている選手がいます。
それは、タンパベイ ライトニングの タイラー・ジョンソン(FW・27歳)です。
カナダとの国境も近いアメリカ西部のスポケーン(ワシントン州)出身のヤマモトにとって、ジョンソンは同郷の先輩であるだけでなく、タンパベイの主力CFとして活躍しているヒーロー!
年齢は8つも違うため、一緒のチームでプレーしたことはありませんが、
★ 「同じFWの選手」
★ 「同じライトハンド」(野球に例えると右打ち)
★ 「同じジュニアチーム出身」(スポケーン チーフス)
★ 「身長も同じ173センチ」
という多くの共通点もあるだけに、NHLデビューを飾るのに先立って「目標の選手」と呼ぶべき存在なのです。
▼ジョンソンがいなければ・・・
スポケーンでプレーしていたジョンソンも、ヤマモトと同様にチームのポイントゲッターとして活躍し、アピールをしました。
しかしながら、サイズが小さい点がマイナス評価につながった模様で、いずれのチームからもドラフトでの指名はなし・・・。
2011年の春にタンパベイからオファーが届き、FA契約を結びましたが、すぐさまNHLの試合に出場したわけではなく、AHL(NHLの一つ下のリーグ)で実績を残してから、ようやく2013年の春にNHLデビューを飾ったのです。
▼ジョンソンの母親がいなければ・・・
このように、同郷でサイズに恵まれていないにもかかわらず、NHLで主力FWとして活躍しているジョンソンがいなければ、「ヤマモトが1巡目されていたのか?」という声も聞こえてきそう。
しかしジョンソンだけでなく、もう一人、ヤマモトにとって忘れてはならない恩人がいます。
それは、ジョンソンの母親 デビーの存在です。
スケートのインストラクターをしていたデビーは、息子のタイラーが大きな選手ではないため、スケーティングの重要性を常に唱え続け、NHLプレーヤーとなるための礎を築きあげました。
そのデビーに、まだ2歳だった頃から、スケーティングを教わり続けたヤマモト。
NHLのチームから、ドラフト1巡目で指名を受けるほどの選手になれたのも、デビーの存在が不可欠だったに違いありません。
スポケーンで育ったヤマモトは、ルーキーシーズンから活躍して、同郷のジョンソン親子(下の写真)に恩返しができるでしょうか?