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台風6号、静岡県は長引く雨に警戒

伊藤麻衣気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

きょうの午前9時に、南の海上で台風が発生しました。

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午後6時現在、紀伊半島の南220キロのところにあります。

紀伊半島は台風の強風域に入っています。

今後、しばらく紀伊半島方面に向かい、次第に進路を東へ変える予想です。

あすの夜、静岡県に最も接近しそうです。

今回の台風で静岡県は長引く雨に警戒が必要です。

どうして雨が長引くのか、ポイントは2つあります。

雨が長引くのは台風の動きが遅いから

台風の進路予想を見てみると、あすの午後6時に愛知県付近で、その後およそ1日かけて関東の東にまでしか進みません。

自転車並の速度で動いていきます。台風を流す風が弱いためです。

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台風は太平洋高気圧の縁を流れる風に乗って流されることが多いです。

ただ今回は太平洋高気圧が台風の真上にあります。

縁を流れる風に乗れないので、動きがゆっくりになりそうです。

このため台風の影響を長く受けてしまいそうです。

                                                                3つの原因の雨が降るため

今回は3つの原因で雨が降りますが、これが時間をずらして降るからです。

1つ目は、台風の反時計回りの風に乗り、南から湿った空気が入って降る雨です。

台風が離れたところにあっても降ります。

きょうの日中からパラパラ雨が降っていたのはこれが原因です。

あす明け方までは、これが原因で非常に激しく降るところもありそうです。

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次に台風本体の雨雲がかかります。

あすの夜、県内に最も近づく予想で、その前後を含め非常に激しく降るところがあるでしょう。

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そして3つ目が、台風が残す湿った空気の影響で大気の状態が不安定になって降る雨です。

台風の雨雲があさっての昼頃には東へ抜けますが、その後、月曜日の朝にかけて東部や伊豆を中心にざっと降る可能性があります。

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このように長い時間にわたって台風の影響を受けるでしょう。

予想される雨の量は、あすの夕方にかけての24時間で多いところで

150ミリ

その後の24時間に

50~100ミリ

24時間の雨量としてはそれほど多くはないですが、合計の雨の量が多くなりそうです。

また、これまでの雨ですでに地盤が緩んでいるところがあります。

土砂災害に警戒をしてください。

雨が強まる前に、自分の地域に潜む危険性をチェックしておきましょう。

あなたの住む地域は、大雨の際に何に注意が必要な地域ですか?

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

静岡県御前崎市出身。2011年に気象予報士資格を取得。2014年にNHK広島放送局で気象キャスターをはじめ、2017年からは地元のNHK静岡で気象キャスターを務める。たっぷり静岡(平日・午後6時10分~)に出演。地域に根ざした天気や、天気というフィルターを通すと気づく静岡の魅力をお伝えします。

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