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伊藤美誠の「補欠拒否?」批判に卓球YouTuberが喝!「俺ら如きに心境わかるわけない」「黙っとけ」

伊藤条太卓球コラムニスト
伊藤美誠(スターツ)(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

パリ五輪日本代表メンバーから外れた伊藤美誠選手が8日、同大会のリザープ(補欠)について「私はリザーブには向かないかなって思ってます。なので、たぶん行くことはないと思います」と取材に答えた。

「プレースタイル的にリザーブに向かないので選ばれることはない」という意味にもとれるが、多くの読者からは「選ばれたとしても行く意思がない」と解釈されて話題となっている。

これに関して、フリーのプロコーチとして「神山卓球塾」を主宰する卓球YouTuber、神山峻さんが同日、Xに動画付きで投稿した。

投稿によると、あるユーザーが神山さんに次のように質問してきたという。

「伊藤選手がパリ五輪の補欠としては行かない、と言っているようなのですが、この件について神山さんどう思いますか?東京五輪では早田選手が補欠の立場で支えてくれたと思います。心境は理解できますが一人の人間として伊藤選手は今回は逆の立場として自分がやれることをするのが筋じゃないんでしょうか?」

神山さんは質問文を読み上げた後、横を向いて一呼吸おいてから

「結論から言いますね。黙っとけマジで

と喝破した。

神山さんの許可を得て掲載
神山さんの許可を得て掲載

そして、呆れと苛立ちを滲ませながら畳みかけた。

「心境は理解できますがって、お前とか俺らごときが理解できるわけないでしょ? 何考えてんのこれマジで。心境は理解できますがって、できるわけないだろ。やったことあんの? 本当に命削って卓球やったことあんの? どうせないでしょそれ。理解できるわけないんだからまず」

神山さん自身は、高校、大学と名門校に在籍し、全国大会でも入賞経験のある、一般的に見れば卓球命のいわゆる卓球エリートだ。ほとんどの卓球人とは比較にならないほど卓球に打ち込んできている。それでも上には上がいて、それらとの差が絶望的であることを知る身だ。

だからこそ、トップ選手がどれほど肉体と精神を酷使し、どれほどの犠牲を払っているのかの想像がつく。しかしそれは想像でしかなく、今回の伊藤選手の思いなどは絶対にわからない。わかるわけがない。そのことだけは「わかっている」のだ。

もちろん、トップ選手の言動がすべて正しいわけもなく、神格化して何でもかんでも持ち上げろということではない。限度を超えることがあったら批判されるべきだろう。

しかし、こと選手活動における選択について、事情も心境もわかるはずもない一般人が軽々しく批判することに対して、神山さんは、卓球に対する熱い思いを持つ者として黙ってはいられなかったのだ。

筆者も同じ考えである。

最後に神山さんは

「本人とかスタッフのDMには間違っても送るなよこういうこと。ほんとにまず黙ってろこの件については」

と締めくくった。

【リンク】神山さんが投稿したX

卓球コラムニスト

1964年岩手県奥州市生まれ。中学1年から卓球を始め、高校時代に県ベスト8という微妙な戦績を残す。大学時代に卓球ネクラブームの逆風の中「これでもか」というほど卓球に打ち込む。東北大学工学部修士課程修了後、ソニー株式会社にて商品設計に従事するも、徐々に卓球への情熱が余り始め、なぜか卓球本の収集を始める。それがきっかけで2004年より専門誌『卓球王国』でコラムの執筆を開始。2018年からフリーとなり、地域の小中学生の卓球指導をしながら執筆活動に勤しむ。著書『ようこそ卓球地獄へ』『卓球語辞典』他。「ロックカフェ新宿ロフト」でのトークライブ配信中。チケットは下記「関連サイト」より。

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