就活相談36・社員懇談会は面接ほど重要ではないですよね?
質問:最終面接の前に「企業を理解してもらうための懇談会」がある、と案内されました。「気軽に何でも聞いてください、年収でも福利厚生でも答えます」とのことですが、本当に何でも聞いていいのでしょうか?
社員懇談会、最終選考前か、その前あたりに入れる企業が多いですね。
「気軽に」と言いつつ、実は選考の変化球でもあり、学生の志望度を上げる手段でもあります。
まず、前者から。対応するのは、現場の社員、それも部課長クラスを持ってくる企業が多いです。
これは、部門の現場トップ、または管理職から見て欲しい学生かどうかを見極めるためです。
人事からすれば、営業など現場の管理職から、
「なんであんな使えないヤツを採用したんだ、うちの人事もダメだな」
と批判されたくありません。
そこで、実際に会ってもらうことで、マッチングするかどうかを確認させます。
こうすれば、あとから批判されることはそうそうありません。
このように選考の変化球であり、学生からすれば、違った意味でハードルの高い選考となります。
一方、企業にとっても、管理職に会わせることで学生の志望度を上げたい、という思いもあります。
この懇談会の注意点は「疲れている相手」「教わる可愛げ」の2点。
1点目ですが、相手は間違いなく疲れているはず。
そりゃそうです、管理職にもなれば仕事はいくらでもあります。
暇を持て余してリストラ寸前の中年を学生に会わせるわけがありません。
大体は疲れていますし、仮に元気な方でも、最初から重い質問、ストレートすぎる質問はきついはず。
重い質問だと業界展望など、ストレートな質問だと給料や福利厚生など。
そういうのを聞いてもいいですが、最初からだと、ちょっとしんどいですし、疲れた相手からすれば、悪印象を持つだけです。
後者は、もっと重要です。
懇談会の目的がマッチングである以上、管理職からすれば、どんな社員が欲しいか、可愛げのある社員に決まっています。
可愛げ、というのは見た目ではないですよ、姿勢が、という意味です。
懇談会や最終選考まで残る学生はそのほとんどが優秀であり、その企業が欲しい人材レベルに近い存在です。
ところが、優秀な学生にありがちなのですが、背伸びしすぎて、何でも知っています、とアピールし、さらに、質問でも知ってますアピール前提だと、管理職からすれば「可愛くねえなあ、こいつ」となってしまいます。
と言って、調べるな、というわけではありません。
調べるのはデフォルトにしても、知らないことを教わります、というスタンスが大事。
面接の章で「高校2年生視点」をご紹介したの、覚えています? あれですよ、あれ。
相手の立場を考えつつ、色々聞くといいでしょう。
※『300円就活 面接編』(角川書店・オリジナル電子書籍)より引用