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進路相談9・大学パンフの想定進路「公認会計士」はどこまで本当?

石渡嶺司大学ジャーナリスト

質問:よく大学パンフレットの「想定する資格」に税理士・公認会計士ってありますが、どれくらい難しいのでしょうか?

大学の「想定する進路」、あれってファンタジーだなあ、と思う石渡です。

ファンタジー、良く言えば理想ですし、悪く言えば妄想。

「学生がこうなってくれればいいなあ、どうせ無理だろうけど」という理想、願望、終止形(意味不明)。

たとえば公認会計士。慶応義塾大は2013年、121人が合格しています。

しかし、慶応義塾大の商学部、経済学部の定員は2学部合計で2100人。

もちろん、受けていない学生がいるにせよ、慶応ですら全員、公認会計士になっているわけではありません。

ちゃんと勉強をしていた学生でも合格できるかどうか、という難関資格です。

まして、中堅以下の私大で勉強もせずになれるものではないでしょう。

もちろん、中堅以下の私大に入ったあと、そこで猛勉強して税理士・公認会計士を目指す、というのであればそれはそれで素晴らしいことですし、頑張ってほしいと思います。

そのことを非難するわけではありません。

私がくだらないと思うのは少数でも頑張っている学生が出れば応援すればいいのに、何もせず、それでいて一日千秋のごとく、「想定進路:税理士、公認会計士」と大学パンフレットに掲載する大学の姿勢です。

※『時間と学費をムダにしない大学選び2016』(中央公論新社)より引用

大学ジャーナリスト

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『改訂版 大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ/累計7万部)など累計33冊・66万部。 2024年7月に『夢も金もない高校生が知ると得する進路ガイド』を刊行予定。

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