Yahoo!ニュース

【動物行動学】「こたつ」の片付けどき 猫が大好きなこたつをいつまで置いておく?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真(写真:アフロ)

桜が満開になり、最高気温が20度を超える日もあります。この時期になれば、そろそろ暖房器具を片付けます。

もちろん、ストーブなどは気温が高くなってくると片付けても大丈夫です。その一方で、猫の好きなこたつは片付けていいのかを動物行動学の観点から考えてみましょう。結論からいいますと、こたつは1年中、置いておいた方がいいです。

ある漫画家さんの猫はどの子も20年以上生きている その秘訣はこたつ

イメージ写真
イメージ写真写真:アフロ

臨床をしていると猫の長生きの秘訣がわかるときがあります。

診察に通っていた漫画家さんの猫は血縁関係がないので、遺伝によるものではなく、ほぼ20年以上生きていたのです。飼い方によるもので、そのような長寿なのでしょう。

その理由は、漫画家さんなので在宅の仕事で、猫の様子がよくわかりすぐに対処できるということなどもあります。それ以外にも何か他にあるのではと、根掘り葉掘り尋ねると、こたつは1年中置いておくということでした。

もちろん寒い日は電気を入れて、そんなに寒くない日は電気を入れない、暑くなってくれば、こたつ布団を薄いものに変えるなどの工夫はしているそうです。

漫画家さんの家は、暑い時期もこたつを置いておくの?と不思議に思われるかもしれませんが、エアコンをつけて、体が冷えると猫はこたつの中に入って籠るそうです。

【動物行動学】なぜ1年中、こたつを置いておくのは猫にいいか?

イメージ写真
イメージ写真写真:アフロ

猫は犬と違って、単独行動の動物です。

そのため、隠れるところが必要なのです。猫は自然界で獲物をとるときに、木陰などに隠れて、1匹で仕留めるのです。そんな行動をするので、飼い主から隠れるところも必要なわけです。

猫にとって、こたつは、単なる暖房器具ではなく、ふかふかしていて自分の身を守ることができる快適な居場所なのです。つまり、こたつは猫にとって、癒やしの場なのです。

猫にこたつを使うときの注意点

猫にこたつを使うとき、以下のことを注意してください。

脱水

これからの時期、気温が上がります。猫は普段から飲水量が少ないため、暖かい場所にいると、脱水のリスクが高まります。

お皿の水の減り具合をチェックしてください。

熱中症

熱中症は夏に起きるイメージですが、こたつの中に長時間いると冬でも起きる危険があります。

高齢の子や慢性疾患を持っている子が、熱中症になりやすいです。

口を開けて苦しそうな口呼吸をしていないか、こたつの中にいる猫の様子を観察してください。命の危険にさらされることがあるので、一刻も早い処置が必要です。

やけど

猫がこたつの中でヒーターに接触すると、やけどを負う危険があります。なかでも低温やけどには注意が必要です。

猫は毛に覆われているので、やけどはわかりにくいのですが、あまり動かない猫は特に注意が必要です。

コード

こたつに限らず、コードにじゃれる猫は少なくありません。電気の通っているコードを噛んだり引っかいたりすると、感電ややけどの危険があります。

飼い主が留守の場合は、コードをコンセントから抜いておいてください。

まとめ

猫は季節に合わせて居心地がいい場所を探すのが得意な生き物です。

犬と違って、高いところに行けるので、風通しがよいところを選んで行くことができるのです。

今日は、肌寒いと感じるときは、猫はこたつに入ることで守られた気分になるものです。猫の行動学を考えてこたつを使うと、より長生きで健康な猫の生活を送ることができます。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

石井万寿美の最近の記事