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【命を繋ぐ】65歳タイハクオウムと100歳の元飼い主、コロナ規制緩和で感動の再会

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
そねっち@MAX_BEN_Pさん より

コロナ規制緩和で65歳(推定)のタイハクオウムのホワちゃんと元飼い主(100歳)がすてきな再会をしました。

タイハクオウムの平均寿命は、40歳から60歳といわれています。ホワちゃんも元飼い主も高齢です。ホワちゃんの里親の配慮でこのような命のリレーができて、会えました。どのような経過なのかを詳しく見ていきましょう。

65歳のタイハクオウムと100歳の元飼い主との再会

そねっち@MAX_BEN_Pさん より

タイトルを見て、65歳のタイハクオウムって本当にいるの?と思っている人もいるかもしれません。大型の鳥類は50年以上生きることもあるので、それを予備知識として、以下を読んでください。

9月の敬老の日に、このような感動的な再会が行われました。

長寿なタイハクオウムのホワちゃんと施設に入っている100歳の元飼い主が、3年半ぶりに室内でじっくり会いました。お互い通じ合っているように見えます。

大型鳥類のホワちゃんは、賢いので元飼い主もしっかり覚えていた様子です。

「うるってきて涙が出ちゃう」「胸がきゅーとなっちゃう」とX(Twitter)で感動する声が上がっています。記事執筆時点で113万件表示を超え、1万4000件の“いいね”を獲得しています。

大型の鳥類で、まして高齢の子の里親になるだけでも、たいへんなのに、元飼い主がいる施設までホワちゃんを連れて行き、面会させてあげることは、なかなかできません。

そねっちさんは、「もし私が元親おばあちゃんの立場なら会いたいと思うのよ」とさらりとXに投稿しています。

そねっちさんは、元飼い主にまで心を馳せて行動に移されて、このような感動的な再会にこぎつけたのです。

ホワちゃんは、米軍基地に飼われていた

そねっち@MAX_BEN_Pさん より
そねっち@MAX_BEN_Pさん より

ホワちゃんは、65歳超えの高齢(胸の辺りの羽が抜けていますが、元気な様子)です。はじめ、ホワちゃんは米軍基地の中で軍人が飼っていましたが、急な帰還命令を理由に近所の小鳥店に置いていきました。ホワちゃんは、そこで元飼い主に出会って引き取られて生活していました。

元飼い主が高齢になったので、施設へ入所することになり、ホワちゃんは動物病院へ預けられたそうです。

現在の飼い主のそねっちさんは、当時のTwitter上でホワちゃんを知り、先住鳥や家族もいるため迷いもあったそうですが、迎える決心をして里親になられたそうです。

タイハクオウムってどんな鳥?

タイハクオウムのイメージ写真
タイハクオウムのイメージ写真写真:アフロ

タイハクオウムは漢字だと「太白鸚鵡」と書きますが名前に太白がつくように、ずんぐりとした体形に純白の羽毛のオウムです。大きな王冠を思わせるような冠羽と全身が真っ白の美しい羽毛を持っています。

大きさ

全長約46cmで、体重500g から 630g

原産国

インドネシアが原産国です。

モルッカ諸島北部の固有種でワシントン条約附属書2類に指定されている鳥です。

エサ

植物食傾向の強い雑食で、主に果実や種子などをメインに食べますが、昆虫類も食べる可能性があるとされています。

性質

成体で飼育しても人に懐きます。ヒナから育てると人が大好きな鳥で人気がとても高いです。

抱いたり撫でたりされることが大好きで構ってあげないと、ストレスがたまり毛引きなどをしてしまいます。

飼育環境 温度と湿度

そねっち@MAX_BEN_Pさん より

基本的にオウムは暖かいところが、原産国なので、室温が21度を下回らない温度にしておくことが重要です。

湿度も重要で、60%必要です。

そねっちさんは、「とにかく急激な寒暖差は避けたい。エアコンを使って冬までに徐々に室温を下げていかないと、高齢鳥と体調崩しやすい子」と投稿されています。

まとめ

そねっち@MAX_BEN_Pさん より

ホワちゃんの感動的な再会を知って、私も大型鳥の里親になろうかな、と考えている人がいるかもしれません。

大型の鳥がこのように長寿であることを知ってもらうことは、大切です。そのうえ、高齢になると、犬や猫も同じで治療費もかかります。

実際、ホワちゃんの里親になったそねっちさん「家族が1人増えるのと同じぐらいになる事も...」と投稿されています。

大型の鳥類ほどではありませんが、犬の平均寿命が約14歳、猫の平均寿命が約15歳と言われています。そして、将来、猫の寿命が30年になるかもしれません。そんな時代がやってくるかもしれないので、一代では飼いきれないこともあります。

そんなときに、このホワちゃんのように命を繋ぐという意識が高くなると、命のリレーができます。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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